seventh class



「君にひとつ、課題を出すよ」


 リードはそう言って、空中に一枚の紙を浮かべた。そこには、英単語がいくつか並んでいた。


“Hope” “Friend” “Trust” “Fear” “Change”


「これ……単語?」


「うん。でも、ただの単語じゃない。“感情”や“関係”を表す言葉たちだ。君には、これらの言葉が“どういう意味を持つのか”を、村の人たちとの会話の中で見つけてきてほしい」


「意味を……見つける?」


「辞書の定義じゃなくて、“人の中にある意味”だよ。たとえば、“Hope”って、誰かにとっては“明日を信じること”かもしれないし、別の誰かにとっては“待ち続ける痛み”かもしれない」


「……なるほど。人によって、言葉の感じ方が違うってことか」


「そう。だからこそ、言葉は面白い。君がそれを理解できたとき、きっと“Key Sentence”に近づけるはずだよ」


 俺は紙を受け取り、じっと見つめた。


「“Hope” “Friend” “Trust” “Fear” “Change”……」


 シャドウが俺の足元でくるりと回る。


「ユウト、イミ、ミツケル?」


「……ああ。やってみるよ。俺なりの“意味”を探してみる」


 Lexiがふわりと浮かびながら言った。


「じゃあ、まずは“Friend”から探してみようか。あの“auxiliary”ちゃん、友達について語るのが大好きらしいよ」


「語尾が“『ですの』の子か……クセ強いけど、行ってみるか!」


 俺は紙を握りしめ、リトルブックの村へと歩き出した。


「オグジリアリィって、どんな人なんだ?」


 俺の問いに、Lexiがくすっと笑った。


「一言で言えば、“補助の精霊”みたいな存在かな。誰かのそばにいて、支えるのが好きな子だよ。ちょっと話し方にクセがあるけど、悪い子じゃないよ」


「クセって……またかよ」


 俺は村の広場に向かって歩き出した。そこには、ふわふわと宙に浮かぶ、小さな光のような存在がいた。まるで人型の妖精みたいな姿で、手には小さなノートを抱えている。


「こんにちは、オグジリアリィさん?」


「やっほーですの! あなたが噂の旅人さんですのね?」


「う、うん。佐藤ユウトっていいます。ちょっと聞きたいことがあって……」


「質問、大歓迎ですの! わたくし、補助魔法とおしゃべりが得意ですの!」


 俺は紙を取り出し、“Friend”の単語を指差した。


「この“Friend”って言葉、君にとってはどんな意味?」


 Auxiliaryはくるくると宙を回りながら、少し考えるようにノートを開いた。


「“Friend”ですの? それは、“そばにいてくれる存在”ですの。強くなくても、賢くなくても、ただ“いっしょにいる”ってことが大事ですの」


「いっしょにいることが、大事……」


「そうですの。わたくし、戦うのは苦手ですの。でも、誰かのそばにいて、支えたり、癒したり、笑わせたり……それができるなら、それでいいと思ってますの」


 俺は思わず、Lexiを見た。あいつは、戦いのときも、逃げるときも、ずっとそばにいてくれた。


「……そっか。それも、“Friend”なんだな」


「はいですの! ユウトさんにも、きっとたくさんの“Friend”ができますのよ」


 Auxiliaryは小さな手で俺のノートに“Friend=そばにいてくれる存在”と書き込んでくれた。


「ありがとう、オグジリアリィ。なんか、ちょっとだけわかった気がする」


「どういたしましてですの! またいつでも来てくださいですの!」


 俺はノートを握りしめ、次の言葉を探すために歩き出した。


 それを見送るオグジリアリィは一言呟く


parting-giftはなむけGood luck幸運を!』」

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Let`s learn English words ヨイクロ @yoikuro

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