志望校に合格した、一組のカップル。
しかしそれは、物理的な距離が離れるということを意味いたします。
お互いに、叶えねばならぬ志があり、希望がある。
……しかし事情も情事もあるのだ。
「おめでとう」を言って仕舞えば、それは距離が離れることを確定してしまいます。
その距離は、単純計算で820kmの距離にございます……。
高校二年生からずっとそばにいた二人。
数センチ、だった距離が一気にこの距離に離れるというのは、さすがに堪えるのではないでしょうか?
それも、六年間。
二人が過ごしてき多くて二年間という月日の三倍。
二人にとってこれらは、天文学的数字だと思います。
それでも行かねばならぬのだ。
それでも残らにゃならぬのだ。
寂しい顔は見せずに、笑顔を見せて、
寂しいは言わずに「おめでとう」
まだまだ未熟な二人の、ちょっぴり甘酸っぱい合格発表の一幕にございます。
ご一読を。
「きっかけ」というのは本当に大事。そういうタイミングがあるからこそ、普段は難しいハードルも超える勇気が得られるのかもしれない。
主人公の及川誉は念願の獣医になる道が開けることになる。
これからは北海道の大学に通うことになるが、それはイコールで現在付き合っている藤堂瑠璃と「遠距離恋愛」になってしまうことも意味する。
それぞれの道に進むことをお互い祝福する。それでもやはり、距離が出来てしまう不安がある。
だからこそ……とこれまでの関係に変化を。
苗字で呼び合っていた二人。将来のことを特に話すこともなかった二人。
「物理的な距離が離れる」という現実があるからこそ、それを乗り越えるために「心の距離」が近くなるよう一歩を踏み出す。
その日を特別な日にしたことで、二人のこれからがどうなっていくか。その晴れの日に抱いた想いをずっと忘れずに、更なる明るい日を迎えてくれればいいなと思わされました。