第2話 魔女の定義
『西暦2005年2月28日、我々人類は魔術師の中でも異質な魔力である死ノ魔力を持つ者を死ノ王子もしくは死ノ姫と命令し、死ノ王子の場合、魔法使いと呼び、死ノ姫の場合、魔女と呼び、魔法使い及び魔女と認定した直後からその者の人権を剥奪する。そして、我々人類は世界を発展するために死ノ王子と死ノ魔女を物や機械と同様に扱い、魔力を搾取しても構わないものとする』
唐突だが、これは今から二十年に魔法使いと魔女による一年間での殺人数が世界で約一千万人を越え、発令されたものの原文である。
李里は当時を知らないものの世界中はしばらくこの話題でもちきりになったらしい。
……ひどく非人道的であるが、もはや今は当たり前。
それに当時でも人権を剥奪することに異論が無いものを多かったらしい。
まあ、魔法使いと魔女による一年間での殺人数が約一千万人を越えていたからであるが。
しかし、今の時代でのとある死ノ姫が五百万人都市、奈央を壊滅させ、その五百万人全員を殺害したことという事例もある。
それに現在世界で死ノ魔力を持つものは十三人で全員死ノ姫であるが、殺人を犯している。
まあ、殺人人数の違いはあれど人権を剥奪することに人々はもう異論は湧かなくていた。
それが脅迫などをされてやったことだとしても。
「って、お兄ちゃんどうしたの?」
12月5日の七時、ふわふわしていた意識が元に戻る。
声の主は義理の妹である由良だ。
身長自称157センチメートル、十五才、水色のかなり上に結んだサイドテールで水色の瞳、少し膨らんだ胸で服は上がネクタイ付きの普段着、下はスカート。
現在、住み処であるカフェ、ルルアの明るい灰色の壁に包まれた地下のリビング的な場所のテーブルにて李里が作った朝ごはんを一緒に食べている。
昨日は無事に依頼を遂行し、報酬を貰って帰った。
ちなみになぜカフェ、ルルアの地下にて暮らしているからというと、この世界で生きていくすべを教えてくれた師匠的な存在である
李里にとっては他に住み処のあては無かったし、由良はまだ一人では生きていけない。
家賃がかからず、ちょくちょくカフェの手伝いをする代わりにまかないを貰えるので、ここに住むのがベストだと思い、こうなっている。
黒野は李里がまだ物事つかない時に魔術師により、両親を殺された日にたまたま仕事帰りに助けてくれた上に物事ついた後はずっと面倒を見てくれている。
本当に恩人だ。
ちなみに由良は黒野の弟子ではない。
それは妹である由良にあまりにも残酷な世界で生きていかないで欲しく、李里が懇願したからだ。
「ああ、ごめん。ぼっーとしてたみたい」
青色の縁付きメガネをかけた李里が答える。
「ま、お兄ちゃん大変だもんね。仕方ないよ。えらいえらい」
「ありがとう」
笑顔でお互いほほえむ。
「お! 二人とも元気そうだな!」
突然、ドアを開けてきて入ったのは風見だ。
「……風見? 昼からの筈じゃ?」
「そうだけどな。色々と前倒しにしなくちゃいけなくてなったんで。あ、そうだ。俺、今日からここに住むから」
「はぁ!?」
どうしたんだこの男は?
狂ったか?
「ありゃりゃ。これは大変だね」
「由良! 他人事みたいに言わないで!」
「まあ、いいじゃねぇか。この地下、たくさん部屋あるし」
「確かにそうだけど!」
「それより、奥の防音室で話すぞ。来い」
「勝手に話を進めるな!!」
最悪。
「でも、行かなきゃ話進まないよ。風見さんもせっかく朝早くから来てくれたんだし」
「まあ、確かに……いや、そうかな!?」
納得しかけた自分が怖い。
「ほら、行くぞ」
風見はもう勝手に部屋を出て防音室に向かって歩き出した。
李里は大きなため息をつく。
もう呆れたし、諦めた。
「……分かったよ」
李里は立ち上がって歩き出した。
十三の死ノ姫 すずたん @suzutann
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