十二月二十四日 スタジオ
(書斎。画面中央のチョコレートブラウンの皮のソファに二人の女性が肩を寄せ合って座り、ローテーブルに置かれた一つのノートパソコンを見ている)
(室内は間接照明とローテーブル上のステンドグラスランプのみで薄暗く、二人の背後にある大きな格子窓の外にはクリスマスモチーフのイルミネーションで淡く輝く庭が見える)
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:おそろしい
:大変おそろしいですわ;;
:クリスマス配信で流す内容じゃくってよ
:紬くん大丈夫ですか?
:もめむにホラー得意なやつもっとおるやろ。これは幼馴染君がゴミカスでしてよ
:赤ちゃんの声っぽいのなに?猫?
:こちらのおVTRはガチですの?モキュメンタリーですの?
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千杏:VTR中に紬さんも説明なさってましたけれど、紬さんのリスナーさんから「身に覚えのないおかしなノートが家にあった」と相談のメールが送られてきたそうです。
ノート自体は至って普通の大学ノートでした。表紙に鉛筆で『ほう×2ノート』と記されていて、実在する場所にまつわる怪談だったり都市伝説だったりがいくつも書き込まれているんです。
まあこれだけならば単に『オカルト話を書き留めたノート』ということなのですけれど、内容が……一ページごとに一つの町に関する話がまとめられているんですの。
伝わるかしら?
このノートを書いた方はどこかの誰かの体験談ではなくて、実在する場所に存在する怪異の話ばかりをまとめているということ。額面通り、『本当にある怖い話』ですのね。
紬さんは"このノートの内容は作り話で、誰かの悪戯だ"と証明なさるために、一つの怪異を検証する撮影を行いました。けれど怖くてきちんと検証結果を出せなかったと同期の
由菜:ちなちゃん、綿莉のこと着拒した方がいい。あいつガチろくなことしないじゃん。
てかちなちゃんでも知らなかったんでしょ。じゃあ誰かのイタズラなんじゃないの?
千杏:もちろん、その可能性もありますね。ただ、悪戯だということを確定させるだけの根拠もありませんから……私も検証してみようと思いますの!
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:そうはならんやろでしてよ
:この世の"ホラー"と銘打たれたものを貪り尽くしている千杏さんにこのようなお話を教える方が悪いですわ
:綿莉様はいつかお炎上なさるわ
:向日葵畑ということは夏に御撮影なさったのよね?この数ヶ月の空白期間は何をなさっていたのですか?
:圧迫面接おコメントで具合が悪くなってきました
:圧迫面接やめてくださいまし。使いますよ。イオナズン。
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千杏:そう、夏頃に紬さんは撮影なさっているんですの。他の怪異についてもいくつか撮影して作り話だという結論が出てから動画を公開する予定だったそうですが、二回目の撮影に踏み切れずに数ヶ月間ずっとどうしようか悩んでらっしゃったみたいなのです。
私ならばホラーに少々耐性がありますし、この問題が放置されることは紬さんにとって負担でしょうから……
由菜:話は分かったけど……こんな得体の知れないものに関わってもいいことないよ。てか綿莉もホラー平気なんだからそっちで調査したらよかったじゃん
千杏:私が綿莉さんに調査の引き継ぎを申し出たんですの。ノートを拝見したら結構興味深いお話が多かったものですから。
由菜:だってイタズラだって確定してないって、逆に言えば本物かもしれないってことでしょ。どーすんの取り憑かれたりしたら
千杏:もちろん危ないことはしませんから安心なさって。
ああ、けれどこの時期の外ロケですからゆなちゃんはお留守番していてね。体調を崩したら大変だもの
由菜:行きますけど!!!!!!!!
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:ツンデレ助かりますわ
:由菜さんの中でまた綿莉さんの印象が悪くなりましたわね…
:お二人とも御無理はなさらないでくださいまし
:まあ適任と言えば適任か……
:由菜さんに暖かい場所にいてほしい気持ちは痛いほど分かりますがそれ以上に千杏さんをお一人で外ロケに出す不安がありましてよ
:???「前乗りで東京に行きますから今回は少々道に迷っても平気です!」→「熱海ですのよ〜!!!!!」
:お外ロケ楽しみですわよ〜〜〜!!!お二人ともお気を付けて行ってらして〜〜〜!!!
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千杏:配信の予定は後日SNS等で告知いたしますね。それでは皆様、引き続き素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ!
由菜:さようなら
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:ご機嫌ようですわ〜!
:ご機嫌よう〜〜〜
:孤独なクリスマスの幕開けでしてよ〜〜〜!!!!!!!!
:わたくしの唯一のクリスマスの予定が終わってしまいましたわ!!!!!!!
:お疲れ様ですわ
:由菜さんのさようならがいつもに増して胸に響きますわ。サイレントナイトでしてよ。
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日本の怪異 -神無-『神輿』 すずり @suzuri_nanasawa
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