終章 涙
安息の微睡を拒絶したのは、フォレ―スの中に失われていた好奇心と、芽生えた確信の二つの感情である。
その二つが、フォレ―スの精神的支柱となり、彼を覚醒させたのだ。
まず、フォレ―スは好奇心の欲求に従った。バンダナで足の止血をすると、
そこに横たわっていたのは、両腕に五本の指、肌色の皮膚、首の上には顔がある。
一つしかない口からは赤い液体をせき込みながら、知らない音を発している。
眼は二つあり、赤い液体と混じった透明な何かを流している。
フォレ―スは、脳裏から浮かび上がる、
受け入れて、口にしてしまうと、もう立ち上がることができなくなると、彼は本能で察した。
視線の先には、フォレ―スが最初に、彼らを強襲した場所だ。
フォレ―スは、口から嗚咽と、血と、全てをぶちまけた。
好奇心は絶望と変わり、フォレ―スの精神を蝕んだ。
彼は残された最後の、精神的支柱、確信に縋る。
あの最後の時、夕陽に反射し、彼の気を引き、フォレ―ス救ってくれた。守ってくれた誰かだ。
崩れ落ちた見張り塔に、生命活動を拒否する体にむち打ち、中を覗き込む。
そこには、
フォレ―スは崩れ落ちる。確信は虚無に変わり、フォレ―スに生きることを許さなかった。
風土特有の冷気を帯びた風が、フォレ―スの血と泥と傷だらけの肌を通り抜ける。
カラン
風が亡骸を傾かせ、星空の光に兵士のドッグタグが流れ星が如く、フォレ―スの視界に飛び込む。
『セカンド・エアロス』
「ああ、ありがとう。そして、久しぶり父さん――――――」
フォレ―スの視界を涙が塞ぎ、父の骸も、星空も、夜闇も全てを原始の一滴へと変え、フォレ―スは父の下へ駆けだした……
今、彼の旅路を遮るものは何もないのだ。
クチクの涙 CだCへー @dasyo117
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