クチク
フォレ―スは深呼吸をする。
かれこれ、何分くらいここで足を止められているのだろうか?
フォレ―スの足元の地面には、汗を飲み干した大地が染みを残している。
フォレ―スは
クチクの跡地は、フォレ―スにとって、身を守る残骸で溢れており、単独行動をする彼にとっては救いであった。
逆に災いをもたらしたのは、
最初は三匹だったが、フォレ―スは発見される前に、二匹を閃光弩で強襲し消し飛ばしたのだ。
他の二匹が、あの一匹を突き飛ばし、射線の外に逃したのが、手痛い誤算であった。
奴らには大きな特徴が三つある。
まずは黒く光沢を放つ頑強な皮膚だ、それは夕陽で深紅に染まる光を反射させ、見る者の眼を晦ます。
二つ目の特徴は、その光に混じり、不可思議な赤い輝きを放つ複眼だ、その眼達は今もフォレ―スを捉えているのだろう。
フォレ―スは、足元に転がっている、かつてクチクの城壁だった石片を投げた。
石片が、大地に着地する前に強烈な疾風と共に切り裂かれた。
最後の特徴だ。この怪物の最も恐ろしいのはその巨大な鎌のような爪から繰り出される斬撃なのである。
こうして、フォレ―スはクチク捜索の足を止めざるしかなかった。
幸運なのは奴はフォレ―スが握っている
フォレ―スは
呼吸を止める。
眼を見開き、もう一度石片を投げた。
足に力を込める。一歩を駆け出し、引き金を引く。
つもりだった。
石片は地面に音を立てて、力なく転がったのだ。
フォレ―スは膝から崩れ落ちた。
彼の片足は細かな肉片となって、赤い命を散らしながら、夕陽の空に消えていった。
フォレ―スの視線とは別の残骸から、黒い鎌が飛び出した。
偶然の産物か、幸運の悪戯か。
改めて、
音を消し飛ばすほどの、白光が夕闇の残光をかき消し、周囲を真昼のように照らした後、夕闇が夜の暗黒へと変化する。
満天の星空が一人の戦士を冷たく抱擁し、終局の静寂が安息の微睡へと導くのだ……
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