第52話
暑さ。
海渡(かいと)が目を開けた。重く。まぶたがまるで糊付けされているかのよう。瞬きした。ぼやけている。また。はっきりした。
暗闇。完全ではない。どこか左に——鈍いオレンジの光。
動こうとした。痛み。鋭く、切るような。全身に。
「どこだ?」
座った。ゆっくりと。背中が何か冷たいものに寄りかかった。金属。格子。
檻。
辺りを見回した。目が暗闇に慣れていった。
巨大な空間。洞窟。壁は——黒い岩。固まったマグマ。亀裂が表面を貫いていた。いくつかからは——赤い光。マグマが壁を細い流れとなって流れていた。ゆっくりと。粘っこく。
洞窟の中央に——広いマグマの川。数メートルの幅。流れ、光り、熱で脈打っていた。
「マグマ?どこに…火山?」
檻が多かった。何十も。何百も、かもしれない。壁に沿って、重なり合って、無秩序に配置されていた。金属製で、小さい。いくつかには——人々。
誰かは動かずに横たわっていた。誰かは膝を抱えて座っていた。誰かは格子のところに立ち、虚空を見つめていた。
思い出していた。森。爆発。滝(たき)が戦っていた。烈(れつ)。炎。それから…暗闇。
息を吸った。空気が乾いている。とても乾いている。まるで炉の中にいるかのよう。喉が引っかかった。唇が割れていた。舌で触れた——亀裂、血。
渇き。強い。
手を見た——汗。たくさん。肌を伝って流れていた。檻の床に滴っていた。
「暑い…暑すぎる」
足音。重い。ゆっくりとした。
海渡が顔を上げた。
烈が檻の間を歩いていた。手を背中に。顔は静かで、無関心だった。海渡の檻の前で止まった。
しゃがんだ。目を見た。
——目が覚めたな。——声が平坦だった。——いいだろう。
沈黙。
——川も湖も最寄り一キロ圏内にない。——烈がマグマに頷いた。——これしかない。
海渡が黙っていた。彼を見ていた。
間。
——やる水は、自分のために使った方がいい…分かるな?
海渡が拳を握った。
烈が立ち上がった。上から見下ろした。
——嘘はつかない。——声がより冷たくなった。——お前は長くない。だがお前次第で、どれだけ早く終わるかが決まる…
格子に近づいた一歩。
——鍛冶屋とあの村がどこか話せば——すぐ終わる。話さなければ…——肩をすくめた。
海渡が顔を上げた。烈の目を見た。
まだ黙っていた。
烈が微笑んだ。
——頑固だな。——振り向いた。——いいだろう。どこまで持つか見てやる。
去っていった。足音が消えた。
海渡が一人残された。マグマを見ていた。シューという音を聞いていた。
「滝…破途(はと)…生きてるか?」
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森。夕方が夜に傾いていた。
老人が小道を歩いていた。ゆっくりと。手に杖。背中に籠——キノコでいっぱい。いい収穫。
開けた場所に出た。
穴。たくさん。地面が引き裂かれ、撒き散らされていた。木々が折れ、根元から引き抜かれていた。
「戦闘が…」
さらに進んだ。注意深く。
開けた場所の端に——何かが横たわっていた。動かない。
近づいた。
少年。若い。十七歳ほど。背中を向けて横たわっていた。胸がかろうじて上下していた。呼吸していた。荒く。喘いで。
服が破れ、泥と血にまみれていた。顔が殴られていた。痣、擦り傷。胸に——細い傷。深くないが、たくさん。
老人がしゃがんだ。首に触れた。脈。弱い。不規則。
辺りを見回した。静寂。風だけ。
「兵士が戻ってくるかもしれない」
決断は早かった。少年を引きずった。重い。苦労して。背中に担ぎ、やっとのことで。
ゆっくりと。開けた場所から引きずっていった。
-----
閃光。
家。小さい。木造。一階建て。
滝——六歳。テーブルに座っていた。パンを食べていた。
母が夕食を作っていた。スープをかき混ぜていた。静かに歌っていた。
——お母さん。——滝が顔を上げた。——お父さんはいつ帰ってくるの?
母が凍りついた。一秒。それから微笑んだ。
——お父さんは…しばらく帰れないの、太陽。——声が柔らかかった。——でも大丈夫。みんながいいところにいるから。
滝が視線を落とした。
母が近づいた。隣にしゃがんだ。抱きしめた。
——でも私がいる。——抱き寄せた。——そしてあなたが隣にいる。すべてうまくいく。
滝が頷いた。彼女の肩に顔を埋めた。
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閃光。
夜。暗闇。
ドアをノックする音。大きく。鋭く。
——開けろ!——外から粗野な声。
母が飛び起きた。滝を見た。
——早く。——手を掴んだ。——こっち。
部屋の隅に引っ張った。床板をずらした。その下に——小さなスペース。狭い。暗い。
——隠れて。——声が震えた。——そして黙って。何があっても——黙って。私のために。お願い。
滝が彼女を見た。唇が震えた。目が潤んだ。
——お母さん…
——静かに。——母が微笑んだ。弱く。——すべてうまくいく。行って。
滝が入った。母が床板を閉じた。
暗闇。完全な。
心臓が激しく打った。呼吸が喉に詰まった。
*ドカン!*
ドアが開いた。轟音。
——みんなどこだ?!——声。怒っている。酔っている。
——誰もいない。——母の声。固かったが、震えていた。——私一人。欲しいものを取って出て行って。
笑い声。複数の声。
——一人?——別の声。——いいだろう。じゃあ、お前を連れて行く。
——駄目。——母が素早く。——お願い。全部取って。食べ物、お金、何でも。ただ出て行って。
——お前も一緒に連れて行く。——笑い声。汚い。——ついでに。
足音。近づいてくる。
——やめて!——母の声が裏返った。——お願い!
打撃。
——黙れ。
滝が聞いていた。すべて。あらゆる音。呼吸。足音。もがき。
——離して!——母が叫んだ。——お願い!
笑い声。粗野。
——静かに、静かに。
もがく音。母が抵抗していた。
それから——別の音。金属。刃。
*シュッ。*
沈黙。
打撃。何かが床に落ちた。重く。
床板の真上に。
液体。温かい。隙間から染み出した。
滴った。滝の肩に。
赤い。
血。
滝が口を手で押さえた。目が見開かれた。涙が流れた。
「お母さん…」
声。静かな。弱い。かすかに聞こえた。
——静かに…静かに…——母の呼吸が喘いでいた。——あなたを…誇りに…思う…
最後の吐息。
沈黙。
滝が両手で口を押さえた。涙が流れた。体が震えた。しかし音を立てなかった。
血が滴り続けた。温かい。べたべたする。
強盗たちが笑った。物を集めた。
——燃やそう。——一人が言った。——痕跡を残さないために。
——やろう。
火がついた音。煙の匂い。
足音が遠ざかった。ドアの音。去った。
滝が待った。完全に静かになるまで。
床板を押した。苦労して。這い出た。
煙。火が壁を食い尽くしていた。暑い。
母が床に横たわっていた。動かない。目を閉じている。顔は穏やかだった。その下に血。
滝が立っていた。見ていた。涙が頬で乾いた。顔に——歯を剥き出した顔。歯を食いしばった。
家から駆け出した。背後で火が燃え上がった。
立っていた。炎を見ていた。
家が燃えていた。明るく。熱く。木が割れる音。
「これが…最後だ」
手が拳に握られた。
「最後だ、俺が弱かった最後」
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海渡が檻の中に横たわっていた。暑さが押しつぶした。汗が顔から、体から流れた。服がびしょ濡れだった。肌に張り付いた。
唇がさらにひどく割れた。亀裂が出血していた。舌で触れた——鉄の味。
荒く呼吸していた。空気が肺を焼いた。
「水…水が必要だ」
足音。近づいていた。
兵士。若い。神経質。手に——鍵。檻に近づいた。
——変なことするな。——声が震えた。——分かったか?
鍵を錠に差し込んだ。
海渡が集中した。肌の上の汗。手、顔、首に。集めた。全部。制御した。苦しい。しかしできた。
錠がカチッと鳴った。
*シュッ!シュッ!シュッ!*
水の棘。鋭い。細い。飛んだ。
一つは——兵士の手に。貫通した。
二つ目——頬に。皮膚を切った。
三つ目——鎧に。刺さった。
兵士が叫んだ。跳び退いた。鍵が落ちた。床に落ちた。檻から一メートルのところに。
——あああ!——手を押さえた。血が指の間から流れた。——くそ野郎!
叫びながら逃げた。
海渡が鍵に手を伸ばした。格子を通して手を。届かない。
水の糸を出した。細い。鍵に引き寄せた。
触れた。
*ド-ン!*
爆発。右から。近い。
衝撃波が檻を投げ飛ばした。海渡ごと。吹き飛んだ。壁に激突した。
頭が格子に打ちつけられた。耳鳴り。鋭い、突き刺すような。
何か温かいものが流れた。左耳から。血。
*ド-ン!*
左から爆発。
また衝撃波。檻が反対側に投げ飛ばされた。
頭がまた打ちつけられた。
右耳からも——血。
痛み。耐えられない。まるで剣が耳に突き刺さるかのよう。深く。内側から切る。
海渡が膝をついた。両手で耳を押さえた。
「痛い…こんなに痛い!」
影。檻の上に。
海渡が顔を上げた。ぼやけている。揺れている。
烈が立っていた。上から見下ろしていた。微笑んでいた。
——お前が俺のところに来たくないなら…——耳鳴りを通して声がこもっていた。——俺の方からお前のところに行く。
突然——熱。
檻。格子。熱くなり始めた。
海渡が手を引いた。火傷。掌が赤くなった。
——ああ!——叫んだ。
熱が強まった。格子が赤くなった。最初は鈍く。それから明るく。
海渡が檻の隅に這った。何にも触れないように。しかし檻は小さい。場所がない。
背中が後ろの格子に触れた。
*ジュー。*
音。肉がフライパンで焼けるような。
火傷。シャツ越しに。肌が焼かれた。
海渡が叫んだ。急に前に跳んだ。
手が右の格子に触れた。
*ジュー。*
また火傷。
烈が檻のところにしゃがんだ。静かに見て、微笑んだ。まるで見世物を見ているかのよう。
——どこまで持つか見てやる。
檻。いくつかの格子が赤くなり始めた。他は冷たいままだった。
海渡は安全な場所を見つけようとした。冷たい格子に押し付けた。
一秒——そして熱くなった。焼いた。
そして燃えていたものは——冷めた。
「熱をコントロールしてる!」
檻。いくつかの格子が白熱するまで赤くなった。他は——普通。熱くない。
海渡が飛び回った。肘が一つの格子に当たった。膝——別のに。熱がないところに。体を曲げた。位置を探した。
見つけた。一秒。凍りついた。力を込めた。体重を肘と膝に。痛い。しかし耐えられる。
突然——格子が変わった。冷たかったものが瞬時に熱くなった。燃えていたものが冷めた。
肘が焼かれた。
*ジュー。*
海渡が叫んだ。位置を変えた。別の足。別の手。
一秒の休息。
また。点が変わった。
*ジュー。*
海渡は姿勢を見つけられなかった。どこに当たっても——焼ける。肌が金属に張り付き、動くと剥がれた。水疱が破裂し、液体が流れた。
匂い。甘ったるく、吐き気を催す。焼けた肉。
彼の肉。
海渡が叫んだ。止められなかった。声が裂けた。
——村はどこだ?——烈が静かに。——村はどこだ?
海渡が体を曲げた。位置を見つけようとした。できなかった。毎秒——新しい痛み。
——知らない!——叫んだ。涙が流れた。——お願い!やめてくれ!
烈は止まらなかった。
——誓う!——海渡が泣いた。——案内されただけだ!知らないんだ!
——嘘だ。——烈が首を横に振った。——みんなそう言う。
点がまた変わった。
*ジュー。* *ジュー。* *ジュー。*
火傷が全身を覆った。肌が部分的に黒くなった。水疱ができた。割れた。
海渡が叫んだ。力がなかった。声が嗄れた。喉が締め付けられた。
-----
洞窟。入口。
破途が出た。ゆっくりと。不確かに。
光が目を打った。明るい。目を細めた。
空を見上げた。太陽。低い。ほとんど沈んだ。夕方。
「もう夕方?友達が待ちくたびれた…」
辺りを見回した。森。静か。風だけがざわめいていた。
——滝!——呼んだ。——海渡!
沈黙。
——おい!どこだ?!
何もない。
眉をひそめた。さらに進んだ。辺りを見回した。
「もしかして行ったか?老人の小屋に?」
突然——声。頭の中に。
——過ぎた…一日…以上…
破途が凍りついた。急に振り向いた。誰もいない。
声。あの声。ゆっくりとした。長く引き延ばされた。
——誰だ?!——破途が頭を押さえた。——どうやって?!
——友…洞窟から…
破途が一歩下がった。
——俺の頭の中で何してる?!——叫んだ。——早く出て行け!
——傷…腕の…——声がより静かに。——俺の…頭の中…
破途が腕を見た。傷。黒い。細い線。
——お前の…友達…どこ?——声が尋ねた。
破途が振り返った。空っぽ。
——もしかして…待たなかった?——声が不確かだった。——小屋に行った?
——もしかして…捕まった…?——声がより柔らかく。ほとんど同情的。
心臓が跳ねた。
——違う。——破途が首を横に振った。——そんなはずない。
——ああ…捕まった…——間。——拷問されてる…もしくは…殺された…
——違う!
——一人を…拷問してる…——声が続けた。——もう一人を…殺した…
——黙れ!——破途が拳を握った。
怒り。湧き上がった。熱い。焼けるような。
歯を食いしばった。顔に歯を剥き出した顔。筋肉が緊張した。
——何を…する?——声がより静かに。——彼らが…いなく…なったら?
稲妻。火花。小さい。腕を走った。
——もし…拷問されてたら?——声が続けた。——懇願する…やめてくれと…?
もう一つの火花。肩に。胸に。
——膝を…つく…?——声に嘲笑。——それとも…見てる…だけ?
——黙れ!——破途が胸を押さえた。抑えた。抑えようとした。
マナが出ていた。稲妻が火花となって体を走った。小さい。制御していた。かろうじて。
「させない…俺を制御させない!」
——何が…できる?——声がより大きく。圧迫的。——何も…決められない!
稲妻がより強く。火花が大きく。
——まるで…何か…できるかのように!
——黙れ!!!——破途が叫んだ。
歩いた。ゆっくりと。胸を押さえながら。怒りを抑えた。理解していた。声が挑発している。制御を失わせようとしている。
「させない…させない!」
-----
森。薄暮。
二人の兵士が巡回していた。疲れている。
——またこの森。——一人が欠伸した。——うんざりだ。
——ああ。——二人目が頷いた。
突然——火花。前方に。小さい。揺らめいていた。
——見たか?——最初が指差した。
——ああ。確認しに行こう。
歩いた。注意深く。手は剣に。
開けた場所に出た。
少年。若い。立っていた。背を向けていた。胸を押さえていた。頭を下げていた。
最初の兵士が剣を抜いた。
——お前は誰だ?——声が鋭かった。
少年が振り向かなかった。
——一緒に来てもらう。——二人目も剣を抜いた。
少年がゆっくりと振り向いた。
破途。
顔は——青白い。目は——空っぽ。稲妻が火花となって体を走った。弱く。しかし目立つ。
——お前たち…——声がこもっていた。——お前たちが俺の友達を連れて行ったのか?
怒りが増した。火花がより強く。破途が胸をより強く押さえた。抑えた。
二人目の兵士が一歩前に出た。剣を上げた。
——自分で来るか。——声が固かった。——それともここに倒れるか。
頭の中の声。静かな。毒のある。
——正しい…お前は…弱い…——間。——お前の…友達…死ぬ…
稲妻がより強く。火花が破途を包んだ。
——何も…できない…
兵士たちが見た。一歩下がった。
——死んだ方がいい…今…——声がより大きく。——後で…彼らの…墓で…より…
怒り。制御不能。
稲妻が燃え上がった。より明るく。体を覆った。
破途の声が変わった。低い。うなり声。
——**俺の…友達…どこだ?!**
突然——後ろから足音。静かな。
三人目の兵士。忍び寄った。剣を振り上げた。
打撃。
刃が背中に入った。肩甲骨の間に。深く。
破途が凍りついた。目が見開かれた。
痛み。
胸から手を離した。
怒り。すべて。一度に。
稲妻が爆発した。
*ゴオオオッ!*
放電。強力。後ろの兵士を打った。頭に直撃。
穴。貫通。顔が消えた。頭蓋が焼き切られた。
兵士が倒れた。人形のように。
破途が背中の剣を掴んだ。ゆっくりと引き抜いた。刃が出ていった。滑った。血が流れた。
剣が出た。傷が素早く塞がった。
熱くなった。破途の手の中で。黄色くなった。光った。溶けた。溶けた金属が地面に滴った。
兵士たちが見ていた。一人がつまずいた。後退した。背中から倒れた。
二人目が立っていた。釘付けになった。頭の中に——一つの考え。
「こうして俺は死ぬのか?」
最初が振り向いた。走った。
*シュオオッ!*
音。鋭い。大きい。稲妻が打つように。
*ゴオオオッ!*
爆発。
-----
隊の指揮官が地図のところに立っていた。ルートを計画していた。
突然——音。遠い。雷。
顔を上げた。森の方を見た。
また音。より大きく。
*ゴオオッ!*
——何だ?!——兵士に叫んだ。
兵士が確認しに走った。すぐに戻った。
——指揮官!北で何かが!爆発!稲妻!
指揮官が眉をひそめた。
——散開しろ!——叫んだ。——全員そこに!包囲しろ!
兵士たちが動いた。何千人も。その場所に向かって走った。
-----
森。
手。光っている。稲妻が脈打っていた。木を掴んだ。寄りかかった。
*ジュー。*
木が黒くなった。燃え上がった。稲妻が幹を走った。亀裂で。上へ。
顔。木の後ろから現れた。
破途。
稲妻の覆い。全身。光っていた。脈打っていた。目は——白い。空っぽ。
怪物のよう。
見た。遠くを。指揮官を。
何百メートルが隔てていた。
兵士たちが囲んだ。何千人も。剣の準備ができている。
破途が口を開けた。吠えた。大きく。人間のものではない。
——**俺の友達どこだ?!**
*シュ-シュ-シュ-シュ!*
稲妻。四方八方に。一斉に。
右の兵士が突進した。剣を振り上げた。斬る。
稲妻が打った。手に。直接。剣ごと。
*バキッ!*
腕が裂けた。肩まで。骨、肉、金属——すべて引き裂かれた。
兵士が投げ飛ばされた。十メートル。意識を失って倒れた。
稲妻が荒れ狂った。すべてに触れた。誰かが木の後ろに隠れた。
しかし稲妻が見つけた。障害物を迂回した。探した。
連鎖稲妻。
兵士から兵士へ。瞬時に。
一人を——心臓に。穴。煙が出ている。
二人目を——頭に。頭蓋が破裂した。
三人目を——貫通。内側から燃えている。
何十人。何百人。何千人。
倒れた。何が起きたか理解できなかった。最後に見たもの——火花。
時間がまるでスローモーションになった。兵士たちが走った。稲妻の方が速い。追いついた。見つけた。
木を迂回した。石を。隠れている者を見つけた。
*シュッ!シュッ!シュッ!*
指揮官が見た。すべて。一瞬で。
隊。崩壊している。トランプの家のように。
残った者たちが逃げた。彼の横を走り抜けた。叫んだ。
指揮官が立っていた。釘付けになった。
「無駄だ」
理解していた。逃げられない。
戦場に——一握り。まだ生きている。横たわっていた。燃えていた。炭のように。煙が出ていた。蒸気が上がっていた。
一部は——目がない。緊張で焼け切れた。
沈黙。稲妻が止まった。
破途が立っていた。中央に。エネルギーを集めていた。自分の中に。稲妻が体に引き寄せられた。集中した。
頭の中の声。歓喜している。
——とどめを…刺せ…全員に!
破途が力を込めた。全身に。
——**黙れ!!!!**——叫んだ。
放った。
*ゴオオオオッ!*
電磁パルス。強力。見えない。波のように。一キロに。
すべての生き物。範囲内。倒れた。瞬時に。
逃げていた兵士たち。人形のように倒れた。顔を地面に。
鳥。木から落ちた。
獣。力を失った。倒れた。
沈黙。
破途が立っていた。一人。死者の中に。
声が黙った。
稲妻の覆いが消えた。消失した。
破途が膝をついた。荒く呼吸した。手を見た。
辺りを見回した。
体。何百。何千。煙が出ている。焦げている。一部は——灰。
沈黙。完全な。声もない。魂もない。
破途が左腕を見た。
傷。黒い。あの傷。
消えた。
肌がきれい。まるで最初からなかったかのよう。
「契約…果たされた?」
息を吐いた。震えた。
「俺は何をした…」
-----
沈黙。
拷問が終わった。
烈が去った。檻が冷めた。
海渡が檻の隅に横たわっていた。動かなかった。火傷だらけ。肌が赤く、黒く、白い。水疱。血が滲んでいた。
耳から——乾いた血。
泣いていた。音もなく。涙が頬を流れた。汗、血と混ざった。
体が震えた。静かに。誰にも聞こえないように。
「痛い…こんなに痛い」
声。隣の檻から。静かな。
——相棒。——男。中年。声が疲れているが、優しかった。——奴らは行った。大丈夫だ。涙を見せるな。
海渡が震えた。顔を上げた。声の方を見た。
——俺は…——声が震えた。——泣いてなんかない。
男が笑った。静かに。苦く。
——その通りだ。——頷いた。——屈するな。見せるな。
沈黙。
海渡が顔を拭いた。痛い。手の火傷。
——名前は?——男が尋ねた。
——海渡。
——涼太(りょうた)。——男が弱く微笑んだ。——運が悪かった、偶然捕まった。森でキノコを探してた。
海渡が瞬きした。
——お前…あの村の出身じゃない?
——どの村?——涼太が眉をひそめた。——俺は地元じゃない。通りかかっただけ。で、どうやら、ついてない。
海渡が息を吐いた。安堵。
——俺も…どこか知らない。——声がより静かに。——女の子に案内された。でもルートは覚えてない。森は初めて見た。
間。
——それに何で覚える必要がある?訪問しに来ただけだと思ってた。
涼太が頷いた。
——大丈夫だ。——声が温かかった。——お前はまだ出られる。大事なのは——諦めないことだ。
海渡が彼を見た。長く。
「嘘だ」
知っていた。しかし態度に出さなかった。
「でも…少なくとも誰かがそばにいる」
微笑んだ。弱く。痛い。
——ありがとう。
涼太が頷いた。
——休め。力が必要になる。
海渡が横になった。目を閉じた。
「予期しない友…こんな場所で」
章の終わり。
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