第29話

月森が第五を腐敗の臭いで迎えた。


彼が木の橋を歩き、板のきしみ、沼の悪臭、商人たちの叫びに注意を払わなかった。視線が顔を滑った——空虚で、無関心。一つの特定の顔を探していたが、見つからなかった。


——いや、いろんなものを見るために立ち止まらない、——小物の店を通り過ぎながらつぶやいた。——子供じゃあるまいし。


指が無意識に首の何かを回していた、擦り切れた紐のロケット。


——何?いや、冷酷になったわけじゃない。ただ大人になっただけだ。


商人が奇妙に見た——誰と話しているんだ?第五は気にしなかった。


——彼の人生に全く興味がない。この数年間彼に何が起きたか……——立ち止まり、首を横に振った。——いや、知りたくない。何の違いがある?


角を曲がって凍りついた。


そこに、居酒屋「沼地の灯火」のそばに、四人が立っていた。慈様——白髪がいつものように四方八方に突き出していた。隣に黒髪の若い男。そして重い鎧を着た二人の騎士。


第五の唇が笑みに引き伸ばされた。


——今から面白くなる。


彼らが話すのを見守った。慈様が何か説明し、騎士たちが頷いた。それから分かれた——老人と男が市場へ、騎士たちは別の方向へ。


——もっと分ける必要がある。鉄のペアなしで白雪姫と話したい。


一歩前に出て止まった、まるで何かを聞いたかのように。


——お前はいつも必要のないところで助けようとし、必要なところで黙っている。——笑みが厳しくなった。——今は干渉するな。


慈様の後を追った、距離を保ちながら。


-----


月森での捜索の二日目は成果をもたらさなかった。慈様が無駄な尋問、沼の臭い、きしむ橋に疲れた。


——もしかして情報提供者が間違えた?——焔が額の汗を拭いた。


——見つけるまで分からない。


騎士たちが隣を歩いた。合意した——まず慈様を助け、それから美雪を探す。公正な取引。


——数時間後に北の橋で会おう、——勇が言った。


——いいだろう。市場の別々の端を探そう。


別れた。慈様と焔が店の間を進み、顔を見ていた。そして……


見覚えのあるシルエットが群衆の中で閃いた。


——あそこを確認する、——慈様が横道を指差した。


——分かった、俺はここを続ける。


慈様が人影の後を追った。それがゆっくりと歩き、尾行に気づいていないかのようだった。路地に曲がった——狭い、倉庫の間。慈様が慎重に覗いた。


第五が板の山の上に座り、片足を下に曲げていた。


——力を失ったと聞いたが?——慈様が路地に入った。——でも外見は同じだ。


——それは師匠に感謝すべきだ。——第五の顔に笑みが浮かんだ。——あの鉄のペアがお前から離れないと思っていた。あの男は誰だ?誰かを思い出させる……


——お前には関係ない。


——久しぶりだな、白雪姫。——第五が板を手で叩いた。——座れ。どうしている?


慈様が拳を握りしめた。今すぐ彼の笑みを消したかった。


——互いを殺すのはいつでもできる。——第五がまるで思考を読んだかのように。——座れよ。二十年以上経った、と思うか?


——二十五……お前が師匠を殺してから二十五年だ。


——やめろよ。——第五が手を振った。——お前も彼の考えを共有していなかった。家族だとか、俺たちのためにあの異端を行っていたとか。病んだ老人の戯言だ。


立ち上がり、伸びをした。首のロケットが揺れた。


——俺はこの世界に興味がない。茶番が行われていた……行われている、そしてこれからも何百年も続く。暴力を何か善いもので正当化し、必要な犠牲について語る……そんな戯言の中で生きたいなら——彼らの問題だ。俺には自分の計画がある。


——お前は自分の目的を達成するために同じことをしている。


——忘れていなかった!——第五がより広く微笑んだ。——俺の計画を覚えていて嬉しい。まるでお前にとって重要かのように。


板から飛び降り、近づいた。


——でも俺は嘘をつかない、あの哀れな王たちのように。高い目的のために悪を行っているとは言わない。俺の計画は——俺だけのため。他の者の運命は関心がない。領土と資源のために何でもする大人の遊びはしない。それが彼らの汚い本性だ。興味ない。


——全てが始まる前に……——慈様が前に出た。——お前は理解しているのか、お前が何をしたか?俺たち全員から何を奪ったか?


——お前は俺に加わることを拒否した。——第五が肩をすくめた。——師匠の方法を承認しなかったのに……聞いたぞ、彼の死後、何と言うか、華滝で長い間覚えられているそうだな?


慈様が身を震わせた。


「どこで知った?!」


——この世界では誰もが奴隷だ。自分の欲望、必要性、目的の奴隷。俺も例外じゃない、ただ目的が違う。そして後悔……まだそんな感情はない。


慈様が立ち上がり始め、攻撃の準備をした。


——お前たちはただここにいるわけじゃない。——第五が首を傾けた。——何かを探している?何かさえ知らずに?


慈様の反応で理解した——知らない。


——興味深い……前回お前と一緒にいたあの汚物はどこだ?——笑みが捕食的になった。——別の街にいるようだ……そこに武史が行った。彼らは楽しむだろう。


足音。路地の一方から焔が現れ、もう一方から——勇と勇翔。


第五が戦闘態勢を取り、手が剣の柄に置かれた。


——これは俺たちの美女じゃないか!——勇翔が彼を認識した。


——美女はお前たちの一人だ。ただまだ誰か決めていない。


——俺は奴らを!——慈様が焔に頭を向けた。——やれるか?


——何が起きている?


——説明は長い!彼を何とかしろ!


走り出そうとした。騎士たちが反対側から。


——どこへ行く?


——俺たちの仲間と美雪が危険だ!別の街で!


——俺たちも行く!——勇が緊張して言った。


——間に合わない!彼を止めろ、俺が間に合う!信じろ、彼らを救う!


——お嬢さんたち、邪魔してないか?——第五が尋ねた。


——姫の頭から髪の毛一本も落ちないようにしろ!


——姫?——第五が柄を掴んだ。——賭け金が上がる。


慈様が第五の方へ飛び出し、彼の近くで跳ね、横の壁を走った。


第五が落ち着いていた、まるで攻撃がないことを知っているかのように。


——よろしく伝えろ。すぐに行くと言え。


騎士たちを見て、それから焔を。騎士たちに向かって一歩踏み出した。


——お嬢さんたち!


勇と勇翔が武器を抜いた。第五が急に足で蹴り、反対方向へ飛んだ——焔へ。


-----


焔が見た——第五が真っ直ぐ彼に向かって来る。炎が周りに燃え上がった、熱く、貪欲に。敵の前の火の渦。


第五が減速しなかった。親指が鍔を押し、剣が鞘から一インチ出た。


炎が消えた。まるでスイッチを切ったかのように。


「ルーン?!」


第五の剣が横から降り注いだ。焔がかろうじて自分の刃を抜き、ブロックで受けた。第五が焔に向き直った。剣が弧を描いた——水平に、速く。


焔が再びブロックした。火花。打撃が重い——手が震えた。


二度目の打撃——上から。焔が弾いた。


第五が胸を蹴った。鋭く、力強く。


焔が飛び、橋から舗道に転がった。轟音。


勇が斧を下から上へ振り上げた。


第五が回転してかわし、刃が鼻から一インチのところを通過した。勇がその場で回転して上から打撃——第五が右にかわした。斧が板に食い込み、引っかかった。


後ろから勇翔。両手剣が広い弧を描いた。第五が打撃の下に潜り込み、転がり、跳ね起きた。


鋼の音。剣対剣、火花が飛ぶ。打撃の交換。敵の顔が近い——勇翔が第五の目に笑みを見た。


——逃げられない!——勇が斧を引き抜き、前に突進した。


回転蹴りで、第五を路地を通して市場の店に直接送った。板が飛び散り、布が四方八方に飛んだ。


——俺の商品!——商人が頭を抱えた。


焔が立ち上がり、後を追った、剣を構えて。一連の突き——速く、正確に。第五がかわし、後退した。絹が紙のように切られ、至る所に色とりどりの布切れが飛んだ。


——警備!警備!


勇が横から突入し、斧で店全体を倒した。破片が四方八方に飛んだ。第五が転がり、跳ね起きた。


焔が理解した——ルーンの範囲から出る必要がある。ダッシュ。


鎖が喉に巻きつき、後ろに引っ張った。


——どこへ行く?——第五がしっかり保持した。


焔の足が一瞬円から出た——靴底が燃え上がり、燃えた。引き戻した——炎が消えた。膝をつき、口で空気をつかんだ。


鋼の音——騎士たちが二人で攻撃した。第五がかわし、かわし、剣の領域から誰も出さなかった。鎧を着た巨大な人影対軽く速い敵。


第五が一瞬止まった、まるで耳を傾けているかのように。


——何?!——虚空に吠えた。——わざとじゃない!彼が斧を持って俺に飛びかかってきたんだ!


勇翔の打撃をかわし、跳び下がった。


——始めるな!今じゃない!


騎士たちが顔を見合わせた。誰と話している?


陶器の店。勇が打った——壺が破片に飛び散った。武器の店——勇翔が一振りでカウンターを倒した。第五が打撃の間で踊った。


十人の警備兵が駆けつけた。


——武器を捨てろ!


第五が振り返り、剣が弧を描いた。一人が倒れ、喉を押さえた。残りが後ずさった。


——殺せ!——さらに警備。もっと。


勇が打った。外れた——第五が小さく、かわした。勇翔がパートナーを剣で守り、彼が新しい打撃を準備した。


円。一連の打撃。第五が焔を視界に保つように動いた。理解していた——魔術師が剣士より危険だ。


焔が立ち上がり、再び離れようとした。第五がすでに彼のそばにいて、鎌を取り出し、防御を強いた。剣での打撃、かわし、鎌が胸を切った——浅く、血の跡を残した。顎に肘——焔が後ろに飛んだ。


警備がどんどん増えた。五十。百。囲んだが、近づくのを恐れた。


——降伏しろ!即座に!


勇が焔を斧で守った。外れた——疲労が表れている。


膝の内側への蹴り。勇が片膝をついた。勇翔が第五を追い払おうとし、横から剣を振った。


波東が自分の剣で彼の剣を脇に逸らした。そして鎖の鎌が弧を描いて勇の兜の隙間に入った。目のための狭い隙間。


頭に直接。


世界が止まった。音が消えた、まるで誰かが世界でスイッチを切ったかのように。勇翔が見た——鎌の柄が兜の隙間から突き出ている。細い刃が目のための狭い切れ目を通って入り、骨、脳を貫通した。


第五が鎖を引き、鎌が静かな、湿った音で出た。血の滴が舗道に落ちた——最初。その後二滴目。三滴目。波東が笑みを浮かべて後ろに下がり、勇翔の突進に備えた。


勇の手が震え、開いた。斧が落ち、石に鳴った——沈黙の中で唯一の音。体がまだ片膝を保っていた——巨大な鎧がすぐに倒れることを許さなかった。


兜の下から血が流れ始めた。細く、赤い。首に、胸当てに。体が倒れ始めた——ゆっくりと、切られた木が倒れるように。


金属が石に当たる轟音。


——一対零、俺の勝ち、——第五がさらに一歩後退した。


——いやあああ!——勇翔が友人に駆け寄った。——勇!勇!


——武器を捨てろ!——警備が叫んだ。——全員武器を捨てろ!


——くそくらえ!——第五が兵士たちに振り返った。——俺は帝国だ!帝国の工作員だ!


——嘘だ!お前は攻撃した……


——ここから消えろ、クズども!


警備兵たちが混乱した。帝国の工作員?でも彼は……


——嘘だ!——軍曹が叫んだ。——全員捕まえろ!


何百もの槍が彼らに向けられた。焔が手を上げ、剣を落とした。


第五が自分の刃を下ろしたが、鞘に納めなかった。


「彼が完全に剣を納めるまで魔法が使えない」——焔が戦いの初めにこれを理解した。


勇翔が聞こえなかった。第五に向かって歩き、目が怒りで狂っていた。


——誰かが命令を理解していないようだ。


おもり付きのロープが——群衆から飛んできた。脚に巻きつき、勇翔が倒れた。立ち上がろうとした——五人の警備兵が上に圧しかかった。


——殺す!お前を殺す!


そして突然……


人々が——彫像のように。


第五が周りを見回した。


——本気か?!今?!——苛立って虚空に投げた。


間。


——やれていた!——吠えた。


間。


——「わざと」って何の関係がある?!彼が最初に攻撃してきたんだ!


——お前を殺してやる!!——勇翔が警備の体の下で叫び、叫んで引っ張り、抜け出そうとした。


——興味深い……——第五が勇翔に近づいた。


兜を頭から投げ捨てた。怒りに満ちた勇翔の目が突然曇った。他の全員と同様に凍りついた。


——興味深い兜だ。


今や絶対的な静寂。


笑みを浮かべながら鎌を半分取り出した。


凍りついた、まるで聞いているかのように。顔が歪んだ。


——なぜだめだ?!彼は……


間。拳を握りしめた。


——泣くな!死んだ騎士一人くらい……


自分を中断した。聞いた。肩が緊張した。


——黙れ。——歯の間から絞り出した。——黙れ!邪魔するな!


もう一つの間。鋭く、怒って息を吐いた。


——……分かった。分かった!言う通りにする。——声が静かになったが、怒りは消えなかった。——満足か?


鎌を戻した。凍った警備兵を回った。


——また会えることを願う。——第五が勇翔を見た。


市場の出口へ向かった。騒音、叫び、動きが戻った。


通りを歩き、再び虚空と話していた。


——で、俺たちの古い友人に会えたか?どうだ?年を取っただろ。「年上になった」じゃなく、まさに年を取った。——微笑んだ。——それでお前の妹は彼に何を見つけたんだ?まあ……


胸のロケットが揺れた。


——騎士について泣くのはもう十分だ!——苛立った声。——彼が斧を持って俺に飛びかかってきた!何をすべきだった、やられろと?!


間。首を横に振った。


——「殺す必要はなかった」……——真似した。——ああ、そうだな。次は頭を吹き飛ばさせろと?


路地に曲がり、怒って石を蹴った。


——お前はいつもこうだ!永遠に「すべきでなかった」、「なぜお前は」……じゃあどうすべきだったんだ?!


聞いた。


——……分かったか?——疲れて。——もういい。お前と議論するのは損だ。仲間がもう待っているはずだ。


背後に破壊された市場、死んだ騎士、警備の大騒ぎの叫びが残された。


広場が混沌。警備兵が何をすべきか分からなかった——残った者を捕まえるか殺人者を追うか。焔が手を上げて立ち、胸の切り傷からの血がシャツを浸していた。誰かが槍の柄で後頭部を打った、気絶させるのに十分。


勇翔がまだ体の山の下で叫んでいた。五人、それから十人の兵士が悲しみで狂った騎士を抑えようとした。ロープ、手錠、さらにロープ。


叫び声。騒動。


そして全ての中心に——鎧の体。血の水たまりがゆっくりと舗道に広がっていた。


*章の終わり*

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