第28話
朝。村の家。
湯気がカップから立ち上っていた。破途が両手でそれを包み、凍えた指を温めた。熱いお茶が舌を焼いたが、藁の寝床での夜の後、これは至福だった。
「温かい食事……どんな味か忘れていた」
——もっと肉は?——家主、髪を団子に結んだ白髪の老婦人が皿を差し出した。
——ありがとうございます、由美さん。——海渡が一切れ取った。——優しすぎます。
——馬鹿な。——彼女が手を振った。——お金を払ったし、それに自分のものも分けてくれた。
滝が大きな一切れを噛み切り、目を閉じて噛んだ。
——んー……腹が幸せで歌っている。
——鳴っている、と言いたいんだろ。——翔が訂正した。
——歌っている!——滝がフォークで彼を突いた。——俺は音楽的な胃を持っている!
——音楽的な下痢になる、熊が冬眠前みたいに食うのを止めなければ。
——俺の食欲に嫉妬している!
破途が微笑んで、口論を見守った。自来也と芳禍との朝を思い出させた。
「今何をしているんだろう?」
——それで、どこへ向かっているんだ?——滝が彼に向き直った。
——嵐戸へ。——破途がお茶を飲んだ。——それから様子を見る。魔法をよく教えている場所を見つけたい。発達しているところを。
——おお、俺たちも嵐戸を通る!——海渡が生き生きした。——それから西へ。
——西へ?
——王国にそこに黒門という街がある。——翔が説明した。——鍛冶師と……特別な魔法へのアプローチで有名だ。
——華滝ほど強力じゃないが、——滝が付け加えた、——あの狂った爺さんが住んでいる。
——どんな爺さん?——破途が無関心を装って言った。
——そこに一人いるんだ。——海渡が手を振った。——誰でも倒すと言われている。汗もかかずに。
——きっとおとぎ話だ。——滝が鼻を鳴らした。——爺さんが若い魔術師に?最初の打撃の後に関節炎で縮こまる!
——または坐骨神経痛!——翔が続けた。——想像できる:「ああ、腰が!タイムアウト!」
みんなが笑った。破途も微笑んだが、内側で刺すような痛みがあった。
「もし知っていたら、この「坐骨神経痛の爺さん」が街を地図から消せることを」
——ところで、お前はどこから?——海渡が尋ねた。
破途がカップを唇に当てたまま凍りついた。
——華滝から。
沈黙。
——本当に?!——滝が飛び上がった。——あの爺さんを見た?!
——どんな見た目?——翔が前に乗り出した。
——本当に全ての元素を操れるのか?——海渡が食事を忘れた。
——会う機会がなかった。——破途が肩をすくめた。——街は大きい。
失望のため息。
——ああ、詳細を期待していたのに。——滝が椅子の背にもたれた。——ところで、お前たち本当に兄弟じゃない?お前と翔は似ている。
——誰に似ている?!——翔が憤慨した。——彼は芋鼻だ!
——お前がカブだ!——滝が言い返した。
——本物の家族からは逃げられない、——滝が微笑んだ、——でもこいつらからはいつでも離れられる。
——おい!——海渡がパンの皮を彼に投げた。
——冗談冗談。——滝が皮を捕まえ、噛んだ。——俺たちは道で出会った。最初は俺と翔。それから海渡が付いてきた。
——付いてきた?——海渡が腕を組んだ。——お前たちを餓死から救った!
——お前の料理で毒殺されそうになった!
——あれは実験だった!
——虫入りの?!
——きのこだった!
——動くきのこ?!
破途が鼻を鳴らした。それから笑った——数日ぶりに本当に。
——こう言おう、——滝が真面目になった、——良い人生からじゃない、俺たちが旅をしているのは。
——分かる。——破途が頷いた。
——そうは思えない。——滝が静かに言ったが、すぐに微笑んだ。——それに「誰がより悪いか」ゲームはしたくない。みんな自分の物語がある。
由美さんが会話を聞いて、眉をひそめた。
——嵐戸へ行くのか?気をつけて。
——なぜ?——翔が尋ねた。
——あの王国には軍隊以外に戦士がいる。五人。王国全体に一人ずつ配置されている——彼女が声を潜めた。——でも彼らは全軍に匹敵する。普通の旅人には手を出さないが、スパイだと思われたら……
——俺たちがどんなスパイだ?——滝が手を広げた。——森で食べ物をやっと見つけた!
——そして道に迷いかけた。——翔が付け加えた。——二回も。
——もし俺たちがスパイなら、——海渡が微笑んだ、——史上最も役立たずだ。
——または最も安い。——破途が続けた。——初日に解雇される。
由美さんが首を横に振った。
——笑え笑え。でも警告した。人が多く集まる場所は避けろ。特に軍人を。
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忍の家。同時刻。
——俺は一人で行く。——自来也がリュックを直した。——早く見つける。
——お前は俺なしで迷子になる。——芳禍が腕を組んだ。——誰がお前に料理する?
——お前の料理から休憩する。
——じゃあ絶対行く!——彼女が憤慨した。——そこは寒い、お前の面倒を見る者がいない。破途も。
栞が黙って荷造りを始めた。決断は下された。
——俺たちは彼を探しに行く。——自来也が扉のところに立った。
——俺に聞かないのか?——忍がテーブルに座り、目を上げなかった。
——聞いている。——芳禍も出発の準備ができていた。——一緒に来ますか?
——いや。
——分かりました。——自来也が答えた。
——待て!——忍が立ち上がった。——お前たちは勝手に……
——できる。——自来也が彼に向き直った。——それとも力ずくで留める?
視線が交わった。空気に緊張が漂った。
「頑固な子供たち。でも正しい——強制して何の意味がある?」
忍が最初に目をそらした。
——せめて必要なものを全部持って行け。金は棚の小箱に。暖かい服。そしてこれを……
三つの護符を取り出した。
——つけろ。これらはお前たちのマナを弱い魔術師から隠す。
——ありがとう。——栞が護符を取った。朝で初めての言葉だった。
——師匠……——自来也が躊躇した。——本当に行かないんですか?
——いや。——言葉が重かった。
——彼を家に連れて帰ります。——芳禍が約束した。
——分かっている。
弟子たちが出て行った。忍が一人残された。
「許してくれ。みんな」
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凍った海の境界。
——ここに通路があるはずだ。——翔が地図を調べた。——氷の上を行く方が迂回より速い。
——確かか?——破途が雪に反射する明るい太陽から目を細めた。——荒涼として見える……
——軍がよくここを通る。——滝が説明した。——冬に海が凍る。便利な道。
岸に降りた。氷が地平線まで広がり、青い空の下の白い平原。
最初の死体を海渡が見た。
——みんな……——声が震えた。——そこに……
腕が雪から突き出ていた。寒さで青く、指が曲がっていた。
「何だ……」
さらに進んだ。そして凍りついた。
死の野が何キロも広がっていた。何千もの体が部分的に雪に埋もれていた。彼らは山となって横たわり、死の苦悶の中で絡み合っていた。
——なんてこと……——滝が吐き出した。
滝が手で口を覆い、何度か飲み込んだ。彼も吐きそうだったが、耐えていた——拳を握りしめ、関節が白くなった。
破途が一歩踏み出した。足が何かを踏んだ。下を見た——凍った腸が、裂かれた腹から二メートル伸びていた。
「これは……これが戦争の現実?」
左に脚のない胴体が横たわっていた。切り株が霜で黒ずんでいた。死者の顔が叫びに凍っていた——口が開き、目が飛び出していた。喉に雪が詰まっていた。
右に——若い兵士、ほとんど少年。手が腹に押し当てられ、指の間に——凍った内臓。顔に——驚き、まるで自分が死ぬとは信じられないかのように。
——なんてこと……——海渡が二つに折れた。
風が死体の間で吹き、不気味な旋律を作っていた。
彼が吐いた。それからもう一度。膝をつき、震えていた。
——いやいやいや……——つぶやいた。——無理だ……血……また血……
——海渡!——滝が彼を腕の下で掴んだ。——呼吸しろ!聞こえるか?呼吸しろ!
——連れて行け!——翔が叫んだ。——早く!
破途が海渡を持ち上げるのを手伝った。彼は全身が震え、目が曇っていた。
「どうしたんだ?まるで何か別のものを見ているかのようだ」
野から離れて引きずった。背後に何千もの死者が残された。
後ろで何かが鳴いた。カラスの群れが野の上を旋回し、人間が去るのを待っていた。宴は中断されたが、長くはない。
森の端で破途が振り返った。遠く、木のそばで、ヘラジカライオン——ヘラジカの巨大な体、ライオンの角と牙——が誰かの死体を引き裂いていた。二匹の子供が引きちぎられた腕を奪い合っていた。
「ほんの数日前、これらの人々は生きていた。家族があり、夢があった。そして今——獣の餌」
——おい!——翔が彼の肩を揺さぶった。——お前は?
——俺は……——破途が瞬きした。——大丈夫。
——手が震えている。
下を見た。確かに、震えている。
「彼らは何のために死んだ?彼らの名前も知らない王のために?見ることのない土地のために?」
——行こう。——翔が彼を引いた。——海渡に助けが必要だ。
滝と海渡に追いついた。彼が倒木に座り、水を小さく飲んでいた。
——ごめん。——海渡がかすれた声で言った。——俺は……
——謝るな。——滝が隣に座った。——みんな悪魔を持っている。
——そこに一人だった。——翔が静かに言った。——ほとんど全ての体が同時に傷を受けた。切り傷が同じだ。
——一人対軍?——破途が信じなかった。
——家主が話していた一人だ。——翔が頷いた。——見ろ——傷は刃のようだ。
「一人……これらの兵士全員を……」
——迂回する必要がある。——滝が決めた。——海岸から遠く。
——同意。——海渡が立ち上がり、まだ青白かった。——そして……ありがとう。
——どういたしまして。——破途が彼の肩を叩いた。——俺たち、今はチームみたいなものだろ?
初めてそう呼んだ。正しく感じられた。
——チーム。——海渡が弱く微笑んだ。——好きだ。
迂回して進んだ。誰も振り返らなかった。
だが破途はまだ目の前に凍った顔を見ていた。そして質問が脳を掘削していた:
「死は死だ、どちら側にとっても、でもこれは戦う価値があるのか?」
遠くでヘラジカライオンが獲物を食べ終えていた。子供たちが誰かの兜で遊び、雪の上を転がしていた。
戦争は続いていた。死の後も。
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終月の宮殿。小軍事ホール。
テーブルの地図が赤と青の印で覆われていた。赤——敵の損失。青——自軍。青が少なかったが、各印が魂を焼いた。
——時雨と烈のおかげだけだ。——終月が窓のところに立ち、手を背中に。——彼らなしでとっくに負けていた。
——第一世代の魔神は軍に匹敵する。——疾風が同意した。——でも長くは続けられない。
——雷志はまだ探している?
——毎日瞬間移動して報告に来る。——疾風が顔をしかめた。——今のところ成果なし。
——くそったれの堅地!——終月が拳を壁に打ちつけた。——どこをうろついているんだ?!
——陛下……
——あと一週間。——終月が厳しく言った。——一週間で見つからなければ——雷志を戻す。ここに必要だ。
——もしかして捜索を手伝おうか?二人なら早く……
——いや。——終月が振り向いた。——壁にも耳がある、疾風。デイオンレベルの戦士一人が不在——これはまだ許容範囲。二人——もう怪しい。
——でも……
——スパイが何かを、または誰かを探していると判断するかもしれない。——王がテーブルに近づいた。——これは裏目に出る可能性がある。捜索でも慎重さが必要だ。
疾風が頷いた、しぶしぶではあったが。
「偏執症?それとも知恵?戦時には区別が難しい」
扉がノックされた。
——入れ。
主席顧問山本が入ってきた。
——陛下がお呼びになりましたか?
——馬と数人を準備しろ。——終月がマントを取った。——街を歩く。
——何?!——隅で黙っていた顧問山本が飛び上がった。——陛下、これは狂気です!戦争中ですよ!
——俺は馬鹿じゃない、山本。——王が質素なマントを服の上に羽織った。
——でもなぜ危険を冒す?
——たとえ敵が防衛を突破して街に入っても、最初に探すのは宮殿だ。
——でも……
——疾風、お前も来い。信頼できる者を二人連れてこい。
——了解。
山本が唇を引き締めたが、黙った。
——そして山本、——終月が扉のところで止まった、——もし何かあったら、何をすべきか分かっているな。
——はい、陛下。
出て行った。山本が地図と印と一人残された。
「何千もの青い点。何千もの父のいない家族」
*章の終わり*
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