第18話
4日目。宮殿の小広間。窓が爆発した数秒後。
破片がまだ床に落ちていた。空気が三つのオーラの残留緊張で震えていた。
雷志(らいし)は待たなかった。雷が彼の体の周りで爆発した——激しく、飢えたように。
——お前は知っていた!——前へ突進。——知っていて許したんだ!
頭への蹴り。すべての速度、すべての怒り。
忍(しのぶ)が手を上げた——怠惰に、無造作に。
*ドン!*
彼の周りの空気が歪み、重くなった。雷志が感じた——引っ張られるのは下ではなく横に、まるで忍が新しい反重力の中心になったかのように。脚が壁ではなく、捕らえて投げ飛ばす力の波に出会った。
雷志が後ろに飛んだ。宮殿の壁に激突した。
*バキッ!*
石が崩れ落ちた。壁に衝突した瞬間、雷志が脚を曲げ、反発力をバネのように使った。雷がより濃く、明るくなった。
「一つの力では足りないなら——もっと加える!」
押し出した。壁が耐えられなかった——破片となって爆発した。雷志が砲弾のように飛び、脚が横蹴りの準備をしていた。
忍がため息をついた。二本目の手を上げた。
——頑固だな。
二重重力波。空気が緊張で唸った。
今度は雷志が倍の力で投げ飛ばされた。しかし反発の瞬間——
*閃光!*
消えた。テレポート。
忍の背後に現れた。二本の指を合わせ、先端に——凝縮された雷。すべての反発エネルギー、すべての怒り——一点に。
——死ね!
一撃。貫通技——一触で殺すために作られた。
忍は振り向きさえしなかった。彼の体が青く輝いた——雷の覆い、完全な防御。
雷志の指が障壁に出会った。雷対雷。一秒の対峙……
*爆発!*
忍が前方に飛び出した。貫通からではない——技は効かなかった。純粋な運動力から。中庭を飛び抜け、もう一つの壁を壊し、塔に激突した。
埃。瓦礫。沈黙。
そして——笑い。
忍が塔の穴から出てきた。服は破れているが、傷一つない。
——悪くない!久しぶりにここまで殴られた!
手を上げた。頭上に球体が現れ始めた。次々と。五つ——それぞれ異なる色。火、水、土、風、雷。太陽の周りの惑星のように回転した。
「五つの属性すべて……本気だったのか」
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忍が飛び出した部屋。
疾風(はやて)が黙って観察していた。それから骨製の手裏剣を取り出した——六つ。指で回転させ始め、風のオーラを加えた。
刃の周りの空気が圧縮され、渦を巻いた。風のオーラが回転する手裏剣の延長となり、徐々にサイズが増した。
——何をしている?——終月(しゅうげつ)が理解できなかった。
——逃げるチャンスを作っている。
投げた。一つ、二つ、三つ……六つすべて。しかし忍にではない。
街へ。
手裏剣が宮殿の壁をバターのように切り裂いた。住宅街に向かって飛んだ。
忍が一瞬戸惑った。
——何を……
理解した。手裏剣が届けば——何十人もの死者。無実の。
——クソ!
忍の背後に風のオーラで龍のような尾が六つ現れた。六つの蛇のような流れが手裏剣を追って走った。追いかける。捕まえる。救う。
——逃げるぞ!——疾風が王の肩を掴んだ。
——いや!——雷志が前に飛び出した。——まだ……
——十分だ!——終月が怒鳴った。——これは命令だ!
雷志が歯ぎしりした。しかし従った。
雷が三人の周りで輝いた。テレポート。
消えた。
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一階上、バルコニー。
小百合(さゆり)が手すりにしがみついた。すべてを見ていた——破壊、空気の龍、テレポートの閃光。
——彼らは……逃げたの?——囁いた。
——逃げた。——菖蒲(あやめ)が隣に立ち、顔が青ざめていた。——父は許さないわ。
——そんなこと重要?見て、何をしたか!
東の壁の半分が廃墟。塔が傾いた。中庭に——爆発のクレーター。
——これは始まりに過ぎない。——菖蒲が胸に手を押し当てた。——戦争……神様、戦争は嫌……
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玉座の間。
——陛下!——使者が膝をついた。——終月王とその一行が……消えました!
欲樹(ほしき)が玉座に座っていた。指が肘掛けを叩いていた。顔——石のよう。
——消えた。——質問ではない。——厩舎を確認しろ。
——もう確認しました!馬は残っています。荷物も。
——つまり、テレポートか。——自分に頷いた。——予想すべきだった。
立ち上がった。窓まで歩いた。破壊された壁の景色。
「つまり、戦争になる。まあ……」
——忠弘(ただひろ)!
顧問が影から現れた。
——お聞きします。
——美咲(みさき)に使者を送れ、そして菖蒲に言え。軍を集めさせろ。そして……忍を招け。彼らの軍を素早く倒せば、損失は最小限だ。
——承知しました。
「兵士を失うのは惜しい。一人一人に金がかかる——訓練、装備、戦死者の家族への手当……」
使者に向き直った。
——将軍たちに伝えろ——完全な準備だ。一週間後に出発する。
——はい!
一人残された。破壊を見つめた。
「終月……お前は自分の王国に死刑宣告を下した」
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街の外。訓練場。
*ドォン!*
破途(はんと)が飛び上がった。遠く、街の方向から——煙、閃光。
——何だったの?!——芳禍(ほうか)が飛び起きた。
——わからない……——自来也(じらいや)が目を細めた。——でも強い。とても強い。
栞(しおり)が手をこめかみに押し当てた。目に——痛み。
——怒り……たくさんの怒り……——囁いた。
——先生?——破途が心配そうに街を見た。——先生だと思う?
新しい爆発。東門の上に砂塵の柱が上がった。
「何が起きてる?そして先生と何の関係が?」
——見に行こうか?——芳禍が提案した。
——いや。——自来也が首を振った。——先生はここで待てと言った。待つ。
座り直した。しかし不安が残った。何かが変わっていた。何か大きなものが。
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欲樹の宮殿。菖蒲の居室。
——父上、これは狂気です!——菖蒲が部屋を歩き回った。——戦争は我々を破滅させます!
——選択肢はない。——欲樹が椅子に座り、冷静だった。——彼らは真実を知っている。
——何の真実を?!王子を殺したこと?!
——小百合は結婚後に彼らの土地を統治するはずだった。お前と美咲が他の土地を統治しているように。
——でも戦争……——菖蒲が窓際で止まった。——何千人も死ぬわ。交易が止まる。国庫が空になる。
——一時的な困難だ。
——一時的?!——父に向き直った。——もし負けたら?
——負けない。忍がいる。
——一人で戦争には勝てません!
——あの男なら勝てる。——確信を持って。——まだ理解できないが、なぜ彼が以前に魔法使いたちに気づかなかったのか。一箇所にあれだけのマナ……奇妙だ。
菖蒲が唇を噛んだ。反論したかったが……
「彼は正しい。いつも正しい。そしていつも——私は何も変えられない」
——軍を集めなさい。——欲樹が立ち上がった。——東の領地は一万を出さなければならない。
——一万?!それは武器を持てる者すべてです!
——その通り。——扉に向かった。——戦争だ、娘よ。戦争に中途半端はない。
出て行った。菖蒲が一人残された。
座った。頭を手に埋めた。
「平和……私は平和をとても愛していた。金が平和をもたらす。戦争が混沌をもたらす」
「でも父の命令は法。たとえそれが自殺への命令でも」
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小百合の居室。
ベッドに座っていた。手に——同じ白い百合。完全に枯れていた。
「残るか逃げるか?」
おかしな質問。王女はどこへ逃げる?戦争を始めた者の娘を誰が受け入れる?
「でも残れば……父が全員を破滅に導くのを見るだけ……」
蓮(れん)が扉の前に立っていた。黙っていた。しかし彼女は彼の視線を感じた。
——何か言って。——頼んだ。
——何を、姫様?
——何でもいい。ただ黙らないで。
彼が躊躇した。
——私の父は兵士でした。前の戦争で亡くなりました。——静かに。——母が言っていました、彼は戦いたくなかった。でも行った。義務だから。
——あなたも行くの?
——命じられれば。
——もし私が行くなと命じたら?
沈黙。
——申し訳ありません、姫様。しかし王の命令の方が上です。
もちろん。いつも上。
「一人で逃げようか?農民に変装して、夜に去る……」
「いや。私は王女。父の娘……」
「私たちは逃げない。最後まで立つ。たとえ最後が奈落でも」
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終月王国。三日後。
宮殿。黒で飾られた玉座の間。喪中。
終月が玉座に座っていた。この数日で十歳は老けた。頬がこけ、目の下に——暗い隈。
彼の前に——右腕。山本(やまもと)。五十歳、商人の顔。目がせわしなく動き、指が緊張して巻物をいじっていた。
——……軍が集まりました、陛下。三万が出発準備完了です。
——よし。——声が空虚。——悪魔たちは?
——四人がここに。命令を待っています。五番目は……
山本が口ごもった。
——彼がどうした?——終月が眉をひそめた。
——山岳民の反乱鎮圧の後……陛下の甥が姿を消しました。宮殿にも、戦争にも、命令にもうんざりだと言っただけで。そして去りました。
——どこへ?
——誰も知りません、陛下。彼はわざと誰にも言いませんでした。静かな生活、もしかしたら家族のことさえ話していました……
終月が急に立ち上がった。
——彼なしでは始められない!——拳で肘掛けを叩いた。——四人対忍——これは自殺だ!全世界が彼の力を知っている。五人の「悪魔」レベルが揃って初めて彼に匹敵できる!
——何を命じますか?
——雷志を送れ。探させろ。——終月が広間を歩いた。——彼のところにテレポートできない——どこにいるか知らないから。しかし彼が好んで行った場所すべてを確認させろ。北の山、境界の湖……
——戦争は?
——待つ。——厳しく。——堅地(けんじ)なしではこれは戦争ではなく虐殺だ。我々の虐殺だ。
「頑固な甥……いつも好きなようにしていた。しかし今彼が必要だ。かつてないほど必要だ」
立ち上がった。壁の肖像画に近づいた。直途(なおと)が正装で。笑っている。
——知ってるか、山本……——振り向かずに。——息子は平和を望んでいた。話し合えると心から信じていた。
——王子は……理想主義者でした。——慎重に。
——そうだった。だった。——振り向いた。——そして私は現実主義者だ。そして現実は言っている:欲樹は代償を払わなければならない。
——戦争は厳しいものに……
——戦争は血塗られたものになる。——王が訂正した。——そして我々は負けるかもしれない。しかし立って死ぬ方が、膝をついて生きるよりましだ。
顧問を通り過ぎた。扉で止まった。
——四人に伝えろ——準備しろと。今は喪中だ。しかしその後……
——はい、陛下。
出て行った。山本が一人残された。
王子の肖像画を見た。それから手の巻物——軍事費の計算。
「三万の兵士。食料、武器、給料……国庫は耐えるが、どれだけの金が、手が震えるほど」
「その後は?新しい税?借金?」
「王は悲しみに目が眩んでいる。しかし私は数字が見える。戦場でなくとも、経済的に負けるかもしれない」
「もしかして……保険をかけるべきか?提案を……」
「いや。まだ早い。戦争がどう進むか見よう」
巻物を巻いた。袖に隠した。
そして王の命令を実行しに行った。
そしてどこか遠くで破途が焚き火のそばに座り、自分の周りの世界がもうすぐ崩壊することを知らず、胸のペンダントを磨いていた。
「力は過去を取り戻せるのか?」
空で雷が鳴った。まるで質問への答えのように。
戦争が始まった。
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どこかの宮殿で宮廷書記が震える手で記録をつけながら呟いていた。
——宮殿の費用。東棟の窓——金貨50枚。塔の壁——金貨200枚。会計係の神経——プライスレス。——羽ペンが折れた。
*章の終わり*
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