第17話

五番目が屋根の上に立ち、空の炎の尾を観察していた。純粋な炎でできた五匹の蛇が街を包み込み、夜を血のような薄明かりに変えていた。正門から立ち上り、炎の壁を作っていた。街の半ばまで達したが、それ以上ではない——全員が正面からの攻撃だと決めるには十分だった。


——正門へ!全員正門へ!——衛兵たちが北に走った。


「馬鹿どもめ。炎を見て、影が見えない」


「二番目が始めた。つまり、時が来た」


飛び降りた。通りは混沌。子供を抱いた女性が道を選ばず走っていた。老人が転び、踏みつけられた。誰も助けに止まらなかった。


——神殿へ!神よ守りたまえ!——誰かが叫んでいた。


——門へ!逃げなければ!


——ルーンだ!ルーンが救ってくれる!


「パニックに陥った羊」——五番目が群衆に逆らって裏門へ向かった。——「囲いがすでに開いていることさえ理解していない」


裏門の衛兵——四人。若く、怯えていた。空を見上げ、背後の影に気づかなかった。


一人目の首をへし折った。炎の轟音に折れる音が飲み込まれた。二人目が振り向いた——刃が顎の下から入り、頭頂から出た。三人目が叫ぼうとした——手が口を塞ぎ、もう一方の手が背骨を折った。四人目が走った——鎌が飛び、腱を切断した。倒れた。壁まで這い、赤い跡を残した。五番目が頭を踏んだ。バキッ。


門の機構がきしんだ。重い扉が開き始めた。


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——彼らが来た。


自来也様が窓際に立っていた。顔——仮面。しかし手が震えていた。


——「彼ら」って誰?——剣心(けんしん)が剣を掴んだ。


——悪魔だ。——老人が窓から目をそらした。——逃げなければならない。今すぐ。


——どうやって?——素繰(そくり)が通りを指した。——あそこはパニックだ、門には辿り着けない!


——水道橋。——自来也様がすでに荷物をまとめていた。——西側の地下トンネル。街の外、ルーンの範囲外に出られる。


——零司(れいじ)は?——深雪(みゆき)が振り返った。


——ここにいる、——彼が入ってきて、剣を装着していた。——悲鳴が聞こえた。何が起きてる?


——逃げる。即座に。


一分で集まった。通りに飛び出した。群衆が彼らを運び、押し分けなければならなかった。


水道橋の入口で自来也様が止まった。前方、裏門に——シルエット。


「まさか。彼が?ここに?」


——下に行け、——声が掠れた。——俺は……追いつく。


——師匠?


——行け!


チームが暗いトンネルに降りた。自来也様が門に向かった。


シルエットが背を向けて立っていた。上から何かが落ちた——殺された衛兵の遺体、今度は確実に殺された。


五番目が振り向いた。


笑みが顔に広がった。


——白雪姫!何という再会だ!


自来也様は答えなかった。斧が下から上に飛んだ。五番目が傾いた——刃が彼の背後の木の扉に食い込んだ。


——相変わらず気が短い、——五番目が剣を抜いた。——何年経った?二十年?二十五年?


自来也様が走って——蹴り。ブロック。二本目の脚。再びブロック。拳——連続攻撃。五番目が受け流し、後退した。


——黙ってるのか?怒ったか?


二本の手斧が老人の手に現れた。五番目が刀を振り上げたが、自来也様が斧の柄で上に弾いた。二本目の斧——横から頭へ振り下ろし。五番目が頭を後ろに反らした。刃が喉から一ミリのところを通過した。


自来也様が斧を回転させ、柄を下に持ち替えた。胴体への打撃。五番目が飛び退き、腰から鎖付きの短い鎌を取り出した。


——本格的に挨拶だな、白雪姫。


後ろから足音。五番目が振り向いた——零司が剣を持って。一撃。剣と剣がぶつかり合った。鎌が顔に飛んだ——零司が自由な手で鎖を掴んだ。


「こいつは誰だ?」——考えが閃いて消えた。


鎖を手前に引いた。五番目が慣性を利用して前に出た。零司が頭突き——外れ、五番目が避けた。内腿への膝蹴り。零司が片膝をついた。下への肘打ち——しかし背後にはすでに自来也様。五番目が転がった。


——お前らここでカップルの集会か?——ニヤリと笑った。——お前らみたいな奴は繁殖しないと思ってたが。


——残りは下に送った、——零司が立ち上がった。——あなた方を迎えに来た。


——ここで死ぬなよ、——自来也様が五番目から目を離さずに言った。


五番目が目を細め、零司を見つめた。何かが目に閃いた。


——お前を覚えてる。ゴミだ。——笑みが消えた。——嘆く者がいないのはいいことだな、ああ?


——俺を知ってるのか?——零司が緊張した。


——もちろん。お前は靴底のゴミだ。自分の場所を知るべきだ。


声の憎しみはほとんど触れられるほどだった。自来也様が驚いて弟子を見た。


——気を散らすな!


彼らがゆっくりと五番目を囲んだ。五番目が笑った——静かに、期待を込めて。


「この笑い……」——零司はこの笑いを知っていた。どこから?


五番目が自来也様に突進した。零司が続いた。急停止——五番目が振り向き、零司の一撃を受け流し、腹を蹴った。肺から空気が吐き出された。膝をついた。


斧が頭に飛んできた。五番目がそれを地面に弾いた。回転蹴り——零司のこめかみに。世界が揺れた。自来也様への突進。


金属音。斧対剣。二本目の斧が攻撃。鎌がブロック。


——白雪姫、久しぶりにお前の巻き毛を見たな!


押し合った。零司が再び攻撃——剣がブロックされた。自来也様が斧で——回避。五番目が剣を上げようとした——斧が刀身を押さえた。二本目の斧が首に飛んだ——回避。斧の柄が戻り、顔を打った。


割れた唇から血。しかし零司が背後で無防備になった——鎌が肩を切った。深く。剣が落ちた。


自来也様への攻撃。受け流し。急回転——刃が零司の胸に入った。肋骨の間、真っ直ぐ肺に。引き抜いた。蹴り。零司が飛び、背中を壁に打ちつけた。


最初は——何もなかった。それから冷たさ。口の中の金属の味——自分の血。肺が潰れ、空気が無駄に通り過ぎた。


脚が崩れた。痛みからではない——痛みはほとんどなかった。理解から。


「これだ。ついに」


しかしなぜか喜びではない。恐怖?いや。後悔。何について?


自来也様が咆哮して前に突進した。五番目が後退し、微笑んでいた。慌てずに受け流した。


——旧友よ、お前、このゴミに情でも移ったか?


蹄の音。騎兵が近づいていた。何百もの蹄。


——師匠!


焔(ほむら)が角から飛び出した。壁際の零司を見た。口から血が泡立っていた。


——いや……だめだ!


——逃げるぞ!——自来也様の肩を掴んだ。——軍だ!皆殺しにされる!


自来也様が五番目を見た。目に——死の約束。


——これは終わりじゃない。


——そうであってほしい!——五番目が手を振った。——犬みたいに死ぬなよ!ワンワン!会えて嬉しかったぞ、白雪姫。このゴミ以外はな、もちろん。


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水道橋。暗闇。膝まで水、氷のように冷たい。


焔が零司を背負っていた。血が水に滴り、ピンク色の染みとなって広がった。


——持ちこたえろ……持ちこたえるんだ、聞こえるか?


零司が答えようとした。言葉の代わりに——血の泡。


——もうすぐ出る、——深雪が彼の手を握っていた。指が震えた——彼女の、彼のではない。彼のは動かず、冷たかった。


——なぜこんなに冷たいの?——声が途切れた。——なぜ?!


素繰が黙って歩いたが、拳を握りしめて爪が掌に食い込んだ。鉄也(てつや)が何度も振り返った、まるで信じられないかのように。画狂(がきょう)が血が出るまで唇を噛み、叫ばないようにした。


「彼のことをまともに知りもしなかった」——それぞれが思った。——「そしてもう失った」


呼吸が少なくなった。息を吸う時のゼーゼー音。吐く時のゴボゴボ音。


中間地点。剣心が松明で照らしていた。


——息をしてない!——深雪が胸に耳を当てた。——いや、してる!弱いけど……


一歩。もう一歩。水が跳ねた。エコーがトンネルで増幅された。


零司の手が垂れ下がった。深雪がそれを掴んだ。


——だめだめだめ……零司!


止まった。焔が彼を下ろし、裏返した。顔が白い。唇が青い。


自来也様が脈を確認した。長く指を首に当てていた。


——彼は……


——だめ!——深雪が肩を揺すった。——起きて!起きて!


零司の目が開いていた。


「記憶の中の闇。トンネルの中の闇。相応しい」


天井から水が滴った。ポタ。ポタ。最後の秒を数えるように。彼は忘却の闇から世界に来た。石のトンネルの闇に去っていく。


「少なくとも一人じゃない」——最後の思考。——「少なくとも……」


鉄也が壁に拳を叩きつけた。指の関節が石で砕けた。


——クソ……クソ!


——俺たちは……——鉄也が言い終えなかった。何を?助けるべきだった?彼らは友達でさえない。ただの道連れ。でもなぜこんなに痛い?


——彼は俺たちを牢から救ってくれた、——素繰が静かに言った。——ありがとうも言わなかった。


——俺は……全部終わったら……——画狂が目をそらした。——冗談を謝りたかった。


——行かなければ、——素繰が静かに言った。——軍がトンネルに部隊を送るかもしれない。


遺体を持ち上げた。焔が再び背負った。今やそれは何も重くなかった。まるで魂が本当に重さを持っていたかのように。


範囲外に出た。マナが戻ってきた——指先のチクチク感。


兄弟たちが土の魔法で全員を上に持ち上げた。街から一マイルの丘に出た。


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華滝(はなたき)が外から燃えていた。


二番目が炎を制御していた。街の中からの悲鳴がここまで届いていた。


軍がすべての門から入っていた。三万の兵士。帝国の旗がはためいていた。


五本の炎の尾が空で生き物のように蠢いていた。それぞれ——塔ほどの太さ、街区ほどの長さ。動く時、空気が熱で歪んだ。鳥が近くを飛びすぎて死んで落ちた。人々は街の上の巨大な炎の音を聞き、野生の恐怖を感じた、熱そのものは感じなかったが。


二番目が壁の前に立っていた——炎の大災害を操る小さな人影。


——負けた、——画狂が全員が思っていることを言った。


——街は陥落した。人々は人質。兵士がすべてを制御している。


自来也様が零司の冷たい額に手を置いた。目を閉じてやった。


——これは始まりに過ぎない。


——何の始まり?——剣心が尋ねた。


——戦争だ。本当の戦争。——老人が燃える街を見つめた。


遺体を持ち上げた。墓の場所を見つける必要があった。


深雪がまだ彼の手を握っていた。冷たい。動かない。


「家を出る時、何に向かっているか分かっていた」——思考が渦巻き、集中できなかった。——「危険があることを知っていた。死が角を曲がったところで待っているかもしれないと。でも思っていた——自分の死を。他人のではない」


冷たい指をさらに強く握りしめた。


「なぜ他人の死がより痛むのか?数日しか知らなかった人を、過去の生活より強く嘆くのは?」


——彼は自分が誰だったかさえ知らなかった……


——もしかしたら今知るかもしれない、——焔が静かに言った。——あちら側で。


剣心が後ろを歩き、深雪の背中を見ていた。


「彼女は安全な檻から逃げた。代償を知って自由を選んだ。しかし払うのは彼女だけではない」


何か言いたかった。慰めたかった。しかし言葉が喉に詰まった。


黙って歩いた。背後——燃える街。前方——未知。


そして手の中に——自分の名前を思い出せなかった死んだ友。


*章の終わり*


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