第16話

4日目の朝。終月(しゅうげつ)王の居室。


扉が静かに開いたが、終月は聞いた。一晩中眠っていなかった——息子が……どうやって眠れるというのか。


——陛下。——欲樹(ほしき)が入ってきた。顔——悲しみの仮面。——重い知らせがあります。


終月が椅子から立ち上がった。膝がわずかに震えた——疲労だ、それ以上ではない。王は弱さを見せない。


——言え。


——我々は……——欲樹が間を取った。プロフェッショナルで、計算された。——王子を見つけました。正確には、彼の遺体を。


世界が揺れた。終月が椅子の背もたれを掴んだ。指の関節が白くなった。


「いや。そんなはずはない。私の息子が……」


——どこだ?——声が他人のもの。しわがれていた。


——盗賊です。街の外で。——欲樹が目を伏せた。——我々はすでに彼らを捕まえて処刑しました。待ちませんでした——逃げるのを恐れて。


——処刑した?——胸に何か熱く、悪意あるものが湧き上がった。——私抜きで?!


——彼らが抵抗しました。素早く行動する必要がありました。——欲樹が手を広げた。——申し訳ありません。陛下が望んでいたことは……


——私は彼らの目を見たかった。——終月が拳を握りしめた。——誰の死のために死ぬのか、彼らに知らせたかった。


——理解します。——頷き。——もしお望みなら……遺体を見せることができます。


——いや。——鋭く。——彼を……彼を見せろ。


欲樹が頷いた。


——参りましょう。小広間におります。


黙って歩いた。宮殿の廊下が果てしなく続くように感じられた。一歩一歩が頭に響いた。


小広間。普段は重要だが王族ではない客を迎える場所。今は——空っぽ。壁際にソファだけ。


その上に——遺体。白い布で覆われていた。


終月が近づいた。ゆっくりと。まるで脚が一本ずつ一トンの重さがあるかのように。


欲樹が顔から布を引いた。


直途(なおと)。


蝋のように青白い。目は閉じられている——誰かが気を配った。首に——細い傷跡、丁寧に縫われている。服は清潔だが、他人のもの。出発した時のものではない。


「私の息子……私の小さな息子……」


——私は……——欲樹が咳払いした。——お一人にします。悲しむために。


足音。扉が閉まった。


終月が一人残された。


-----


脚が支えられなかった。ソファの隣に膝をついた。


手が勝手に伸びた。震えていた——最後に手が震えたのはいつだ?戦争で?息子の誕生の時?


頬に触れた。冷たい。冬の石のように。


——お前はいつも温かかった……——声が壊れた。——赤ん坊の時も。熱くて、暖炉のようだった。母が笑って言った——毛布は要らない、お前だけで温かいって……


気づいた——襟がずれて留められている。手が機械的に動いた。直す。正しく留める。


——いつもお前は……いつも雑だった。——指がボタンでもつれた。——何度言った——服に気をつけろと。王子は……見た目が……


ボタンが従わなかった。死んだ布地、硬い。


——何なんだ……——強く引いた。糸が切れた。ボタンが飛び、床を転がった。


固まった。石の床の小さな真珠層の欠片を見つめた。


何か熱いものが頬を伝った。息子の死んだ手に滴った。


——すまない……——涙を拭いた。息子の肌に塗り広げた。——すまない、私は……また台無しにした。あの時のように、覚えているか?お前の誕生日。自分でケーキを持って来ようとして……落とした。お前は笑った……潰れたケーキの方が美味しいって……


髪を直した。黒い房——もう白髪が?それとも気のせい?


——お前はまだ若いのに……なぜ白髪が?早すぎる……早すぎる……


さらに身を屈めた。額が冷たい額に触れた。


——眠れ、私の息子よ。眠れ……


-----


扉が開いた。


終月は頭を上げなかった。わかっていた——疾風(はやて)だ。足音でわかる。二十年の勤務——人を呼吸で見分けられるようになる。


ゆっくりと背筋を伸ばした。振り向いた。唇に——笑み。歪んだ、恐ろしい。しかし笑み。


——ああ……お前か。


疾風が扉口で固まった。目に——罪悪感、痛み。


——陛下、私は……


——私の守護者。——声が静か。静かすぎる。——私の忠実な犬。お前はどこにいた?


立ち上がった。膝が鳴った——冷たい床に長くいた。


——どこに。お前は。いた。——一語一語——歯を食いしばって。——私の息子が……


ソファを指差した。手が震えた。怒りから?悲しみから?何の違いがある。


——お前のせいだ。——笑みが広がった。恐ろしく広く。——お前のせいで彼はこの……この……


声が途切れた。咳。喉がひりひりした。


疾風が一歩前に出た。


——陛下……彼を殺したのは盗賊ではありません。


沈黙。刃のように長い。


——何?


——目撃者を見つけました。——疾風が平坦に話した。報告のように。ただ指がわずかに震えていた。——王子はゲットーにいました。下町で。その夜に。


——ゲットー?


——老婆が彼を連れて行きました。見せた……欲樹が人々に何をしているか、真実を。


終月が瞬きした。一度。二度。笑みがゆっくりと顔から滑り落ちた。


——続けろ。


——欲樹の衛兵がそこで彼を逮捕しました。通りではなく。ゲットーで。——疾風が唾を飲み込んだ。——そして……


——そして——何だ?——声が再び静かになった。危険なほど静かに。


——正確にはわかりません。しかし彼は盗賊に殺されたのではありません。


-----


扉が開け放たれた。雷志(らいし)が飛び込んできた——若く、目が燃えている。


——申し訳ありません、陛下!もう廊下で待てません!


ソファを見た。固まった。顔が石になった。


——これは……これが王子?


一歩近づいた。もう一歩。ソファの前で止まった。腕の刺青が光った——皮膚の下の雷。


——あの……畜生ども。——声が怒りで震えた。——一時間ください!たった一時間!彼らの宮殿を地面と同じ高さにしてやる!灰に変える!奴らに思い知らせてやる……


——黙れ!


終月の最初の叫び。唯一の。


沈黙。雷志の皮膚の下の雷さえも静まった。


王が荒く息をついた。手を胸に押し当てた——心臓が狂ったように打っていた。


「落ち着け。考えろ。感じるのではなく考えろ」


——彼は何かを知った。——ゆっくりと、測ったように。——何か重要なことを。欲樹が許せなかった何かを……


——そして始末された。——疾風が続けた。


——そうだ。——終月が息子を見た。——始末された。静かに。丁寧に。盗賊という完璧な伝説とともに。


——どうしますか?——雷志が拳を握りしめた。——ただこのままでは……


——待つ。——王が窓に向き直った。——信じているふりをする。そして考える。


——考える?!陛下の息子が……


——私の息子は死んだ!——振り向いた。目に——痛みと怒り。——そして今感情に任せれば——何千もの他の息子たちが死ぬ!それが望みか?!


雷志が頭を下げた。


——申し訳ありません。


-----


扉のノック。柔らかく、丁寧。


——入れ。


忍(しのぶ)が入ってきた。頭を下げた。


——陛下。お悔やみ申し上げます。——間。——そして……欲樹王からのお願いがございます。


——お願い?——終月が再び窓に向き直った。客に背を向けて。


——宮殿を出ないよう求めています。陛下の安全のため。盗賊に仲間がいる可能性があります。


雷志が獰猛に微笑んだ。


——そして誰が我々の安全を保証する?——忍に一歩近づいた。——あなたか?


忍が冷静に視線を受け止めた。目に——理解。彼は知っていた。彼らが知っていることを知っていた。


——恐れながら、それは不可能です。——終月は振り向かなかった。——息子の遺体を家に連れ帰らなければならない。相応しく土に還す。誰かにとっては踏み越えられるもう一つの遺体かもしれないが、私にとっては彼はまだ小さな少年だ……彼は私の息子だ。


——王が主張しています。——柔らかく、しかし断固として。


——畜生め……——雷志が歯を食いしばった。


突然雷の火花が雷志の周りに形成された。空気がパチパチと音を立てた。


そして疾風の周りの空気が圧縮された。見えない流れが渦を巻いた。部屋の圧力が高まった。


空気が三つのオーラの緊張で震えた。


一階上、王女の居室。


小百合(さゆり)がベッドに横たわり、枕に顔を埋めていた。肩が無音の嗚咽で震えていた。


——静かに、静かに……——菖蒲(あやめ)が彼女の頭を撫でた。——大丈夫よ。


——どうして大丈夫なの?!——すすり泣き。——彼は死んだの!父のせいで!


——そんなこと言わないで……


突然——圧力。まるで空気が重く、濃くなったかのように。


菖蒲が固まった。小百合が顔を上げた。


——何これ?


扉が開け放たれた。蓮(れん)が飛び込んできた、青ざめて。


——姫様方!逃げなければ!早く!


——何が起きてるの?——菖蒲が立ち上がった。


——わかりません!でもこのオーラ……——彼が窓に飛びついた。


——小僧。——忍が微笑んだ。——雷が強くしてくれると思ってるのか?


——試してみるか?——雷志が手を上げた。電気が拳に集まった。


三つのオーラが衝突した。


*ドカン!*


窓が爆発した。ガラスが千の破片となって飛び散った。疾風が瞬時に自分、王、そして王子の遺体の周りに空気の球体を作った。


忍が微笑んだ。


——どうやら、平和的に解決できないようだな。


-----


廊下で二人の衛兵が立って話していた。


——もし中で喧嘩が始まったら、どうする?——若い方が尋ねた。


——逃げる。——年長者が答えた。


——名誉は?義務は?


——俺の義務は年金まで生き延びることだ。あと三年。貴族同士が何かを分け合えなかったせいで死ぬつもりはない。


——でも俺たち衛兵だぞ!


——俺たちは泥棒と酔っ払いに対する衛兵だ。このレベルの魔法使いに対しては、俺たちはインテリアの飾りだ。美しいが、役に立たない。


*扉の向こうから轟音*


——ほら見ろ?もう始まった。——年長者が立ち上がった。——台所を確認しに行こう。もしかしたらそこに……えっと……泥棒が。


——台所に?


——とても腹を空かせた泥棒だ。危険だ。即座の確認が必要だ。四十分くらい。


*章の終わり*


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