第3話 果樹園、不死者もここで働く



ジョン家の果樹園で働き始めて三日目だ。毎朝無料のアップルパイが食べられる。


「無料のアップルパイにジュースまでついてるなんて、最高だ」


俺は満足そうに微笑んだ。


「渡一おじいさん、あんたは若い連中と一緒に働かなくていいんだよ。給料はちゃんと払うから」


五代目ジョンは、この「三百歳」の老人を二十代の若者たちと同じように働かせるのは気が引けるらしい。


「だめだ、俺は必ず働かなきゃ。無駄遣いは嫌いだ」


俺は真っ昼間の灼熱の日差しを見上げ、リンゴ狩りの列に加わった。


「はあ……」


ジョンは呆れたように首を振った。月三銀貨の給料を払いながら、この三百二十七歳のおじいさんにリンゴを摘ませるなんて。


自分の一族がまるで恩知らずな輩みたいに思えて、どうも気が落ちるらしい。


「そうだ、おじいさんのお昼ご飯、ステーキを二皿追加しておいてくれ」


彼は料理係のおばさんにそう言い付けた。


……


俺は果樹園の土の上に足を踏み入れ、リンゴの熟した甘い香りを満喫していた。


「あなたが渡一おじいさん?どうしてこんなに若く見えるの?」


六七歳くらいの女の子が俺の肩を指でつついて聞いてきた。


「うん……おじいさんは年を取らないんだよ。羨ましいかい?」


俺はしゃがみ込んで女の子とくだけた話をし、自分の体験談を少しだけ話してあげた。


「私もいつかドラゴン討伐に行けるかな?」


女の子は瞳を輝かせて憧れるように聞いた。


「お前か……それより、アップルパイを作っておじいさんに食べさせてくれよ」


俺は女の子のほっぺたをつついて、にこりと笑いながら歩き出した。


女の子はふくれっ面をしていた。


たとえ俺でさえ、竜王討伐に行ったら重傷を負うものだ。子供なんか無理だよ。


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