第2話 懐かしの果樹園か。俺、働きに来たぞ。



「クークー、ガーガー……」


「クークー、ガーガー……」


鳥のさえずりが耳に込んでくるが、それよりも腹の鳴き声のほうが大きい。


実は俺は食べなくても生きていけるんだ。だけど、たまに口寂しくなるんだよな。


葉っぱを食べても生きてられるのに。


「まあ、仕事を探さなきゃな」


ロールズ王国、アップルシティ。


名前の通りリンゴの名産地で、俺がここで働くのは五年ぶりだ。


「ジョン家五代目、仕事をお願いする」


俺は堂々と、庄屋の門前に腰掛けた。


「お前って、年を取らないんだよな? 渡一おじいさん」


ジョン・スミスが興味津々に聞いてきた。


俺がこの家の人と知り合ってから、もう百三十年になる。五年に一度、半年ほどここで働き、旅の費用を稼いでいるんだ。


百三十年前、飢饉で逃げ惑っていたジョンの曽曽祖父を、手軽に助けてあげたことがある。その時、銀貨一枚あげたくらいの話だ。


「やっぱり絵に描いたように若いじゃないか。じゃあ、まず休憩させてもらうよ。ジェニー、こっち来い!」


うん。懐かしの果樹園か。俺、働きに来たぞ。


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