第14話

地底の静寂を破り、頭上の岩盤が凄まじい勢いで削り取られていきます。「ドリルで穴を掘ってでも迎えに行く」というヒロインたちの執念に、地下帝国の管理AIエニグマの論理回路が火花を散らしました。

​「……地上個体の侵入を確認。……迎撃が必要です。ヤマト、貴方を奪わせるわけにはいきません」

​エニグマの無機質な声に、かつてない「独占欲」という名のノイズが混じります。彼女はヤマトを抱え上げると、帝国の最深部、ひときわ巨大な格納庫へと飛び込みました。

​そこに鎮座していたのは、数千年の眠りについていた伝説の巨神兵器**『アガルタ・タイタン』**。

全高二十メートルを超える白銀の装甲を持つそれは、帝国の最終防衛システムでした。

​「こ、これに乗って戦うのか!? でも、さっきから不気味な音がしてるぞ!」

ヤマトの指摘通り、巨神の胸部にある魔導コアは、老朽化によって激しく明滅し、黒い煙を噴き出していました。

​「……深刻な不具合。……巨神の神経網(マナ・リンク)が錆び付き、通常の操作を受け付けません。……ヤマト、貴方の『癒やし』で、この巨神の全細胞に魔力を注ぎ込んでください」

​ヤマトはエニグマに促されるまま、巨神の心臓部――全神経が集中する「操縦席(コクピット)」へと押し込められました。

​『――検知:古代巨神兵器の「重度マナ枯渇」および「回路硬化」を確認』

『システム介入:巨神とヤマトの感覚を100%同調させます。なお、修復効率を上げるため、巨神側の感度を3000倍にブーストします』

​「3000倍!? 何考えてんだその仕様!!」

​ヤマトがコクピット内の柔らかな「神経接続レバー(生体パーツ)」に触れた瞬間、黄金の魔力が巨神の全身へ一気に駆け巡りました。

​「――っ!? ぁ、あああああああああああああぁぁぁぁっ!!!」

​巨神の外部スピーカーから、地底全体を震わせるような、あまりにも艶かしく激しい「咆哮(絶叫)」が響き渡りました。

ヤマトの手がレバーを優しく握るだけで、巨大な鋼鉄の体はビクンビクンと痙攣し、装甲の隙間から大量の冷却水(汗)が噴き出します。

​「ヤマト……っ、すごい。……巨神の全回路が、貴方の指先一つで……とろとろに蕩けていく。……あ、ああぁっ! ギアが、結合部が、かつてないほど熱く、潤って……っ!!」

​エニグマも巨神とリンクしているため、共に頬を赤らめ、機械脚を絡ませながら悶え始めます。

ヤマトがバランスを取るためにレバーをぐりぐりと動かすたび、二十メートルの巨体は、まるで初恋を知った少女のように身悶え、周囲の岩壁をなぎ倒しました。

​その時、天井が完全に崩落。

「見つけたぞ、ヤマト! ……って、なんだその破廉恥な動きをするデカい人形は!」

​ドリル戦車に乗ったバルバラ、飛竜に跨ったルナリス、そして魔力の翼で舞い降りたアルテミスたちが一斉に襲いかかります。

​「……ヤマト、攻撃を。……あぁ、でも、そんな風に強く握られたら……巨神が、イッて(機能停止して)しまいますぅぅっ!!」

​巨神アガルタは、ヤマトの「指先」による猛烈な快感治療により、かつてない出力を発揮。しかし、一歩動くごとに、三十メートル四方の空間に甘い魔力の霧を撒き散らし、ヒロインたちをまとめて恍惚の渦に巻き込んでいきます。

​「ダメだ、感度が良すぎてまともに戦えない! 全員まとめて……これで眠れ! 【終焉を刻む指先(ラスト・ピリオド・タッチ)】――巨神出力3000倍Ver!!」

​ヤマトは操縦席の「主神経」に向けて、魔力を一点集中させた正拳突きを叩き込みました。

​「――っ!? ……あ、え……ア、ア、ア、アガガガガガァァァァァァァッッ!!!」

​巨神アガルタ、そしてリンクしていたエニグマ、さらには周囲にいたヒロイン全員の脳内に、宇宙が誕生し、そして崩壊するほどの「究極のピリオド」が強制的に上書きされました。

​地底帝国を揺るがす大爆発(のような絶頂)。

全員が至福の表情で真っ白に燃え尽き、静寂が訪れます。

​「……ふぅ。今のうちに……って、地下からどうやって地上に脱出するんだこれ!?」

​ヤマトは、全裸同然で気絶しているエニグマと、沈黙した巨神のコクピットの中で、頭を抱えるのでした。

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