第10話
海面へ浮上した瞬間、目の前に広がる「ヤマト争奪連合艦隊」。
ルナリスの鎖が伸び、バルバラの砲声が響き、セシリアの聖歌が空を震わせる。その阿鼻叫喚の隙を突き、ヤマトはメロウからくすねた「高速遊泳の魔道具」を使って、死に物狂いで海域を脱出しました。
数時間の漂流の末、彼が這い上がったのは、地図にさえ載っていない原生林に覆われた絶海の孤島でした。
「……はぁ、はぁ……。ここなら、あいつらもすぐには見つけられないはず……」
砂浜に打ち上げられたヤマトは、濡れた服を絞りながら安堵の息を漏らした。
だが、その安らぎは一瞬で打ち砕かれる。
ザッ、ザッ、と力強い足音が砂を掴み、ヤマトを包囲したのだ。
「――男だ。……しかも、とんでもなく上等な『種』の匂いがする」
現れたのは、動物の皮を纏い、槍を携えた屈強な女戦士たち。
彼女たちはこの島に住む女系部族『アマゾネス・リリィ』。男をただ「種」としてのみ扱い、用が済めば放り出すという過激な伝統を持つ一族だった。
「待て、俺は怪しいもんじゃ……ッ!」
ヤマトが言いかける前に、中央から一際背の高い、褐色の肌を持つ族長アマラが歩み寄った。彼女はヤマトの顎を掴み、その瞳をじっと覗き込む。
「ふん。顔は及第点だが……体が冷え切っているな。我ら一族の『神聖なる祭壇』へ運べ。今夜、この男を使い潰して、次代の戦士を授かる」
「使い潰すって、おい!?」
ヤマトは抵抗むなしく、島の奥深くにある巨大な温泉(聖なる泉)のほとりへと連行された。
そこでは族長のアマラが、神聖な儀式として「身を清める」ために、熱心にヤマトの全身を洗い、マッサージを始めた。しかし、彼女には悩みがあった。長年の戦いと修行により、全身の筋肉が硬化し、魔力の循環が滞る『剛体病』に侵されていたのだ。
「……くっ、体が、動かない。……このままでは、儀式の最中に私が果ててしまう……」
『――検知:対象の全身筋肉が「異常硬化」。魔力排出不全を確認』
『スキル【神聖なる悦楽の再生】……本日は【原始の母性開放(ワイルド・マザー・ヒール)】を起動します』
「うおぉっ!? 洗われてるだけなのに勝手に発動すんな!」
ヤマトの手が、アマラの硬く強靭な太もも、そして腰のツボに触れた。
その瞬間、ヤマトの指先から野性的な熱量を孕んだ黄金の光が、アマラの血管へと直接流れ込んだ。
「――っ!? ぁ……あ、ぁぁあああああああぁぁああっ!!?」
アマラの口から、戦士としての誇りをかなぐり捨てるような、生々しい絶叫が飛び出した。
ヤマトの指が触れるたび、岩のように硬かった筋肉が、まるで焼きたてのパンのようにふっくらと、柔らかな女性の肌へと変質していく。
「なに、これ……っ。力が、抜ける……。戦士としての私が、壊されちゃう……っ! ああぁ、そこ……そこをもっと、強く揉んでぇっ!!」
アマラはヤマトを押し倒し、馬乗りになったまま、恍惚の表情で身悶えた。
全身の血行が劇的に改善される快感は、戦いの中でしか生きてこなかった彼女にとって、毒のように甘美なものだった。
数分後。
筋肉の凝りが完全に消え、最高に「仕上がった」体となったアマラは、ヤマトを抱き寄せ、その耳元に熱い吐息を吹きかけた。
「決めたぞ、貴様。貴様を外へは出さない。……『種』として使い潰すなど勿体ない。今日から貴様は、私の、そしてこの島全員の『永久種王』だ。死ぬまでこの泉で、私たちを『治療』し続けてもらう……。逃げようとしたら、その足を砕いて、這ってでも私の寝室へ来てもらうからな……」
(……この島、ヤンデレの総本山だったのかよ!!)
島中の女戦士たちが、期待に満ちた(獲物を狙う)目でヤマトを囲む。
しかし、水平線の彼方から、一筋の閃光――セシリアの聖法術による爆撃が島へ飛来した。
「ヤマト様を……その淫らな島から救い出しに参りましたわぁぁ!!」
「この島ごと、私のアジトにしてやるよ!」
追っ手たちがついに、島を包囲したのだ。
「こうなったら……これだ! 族長、悪いけど寝ててくれ! 【終焉を刻む指先(ラスト・ピリオド・タッチ)】!!」
ヤマトは、アマラの腰にある、戦士の力を司る究極の急所「仙骨の裏側」に指を突き立てた!
「――っ!? ぁ、ふあ……あ、あえ……天国が、見え……っ!!」
族長アマラは、全身をビクンと跳ねさせると、そのまま幸せそうな、溶けたような顔をしてヤマトの上で崩れ落ちた。
「今のうちに……このジャングルに隠れるぞ!」
ヤマトは森の奥へと逃げ込む。
だが、そこには太古から封印されていた、人間に興味津々な**「ドMの魔樹(ドライアド)」**が、根っこを触手のように蠢かせて待ち構えていた。
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