第23話 刺さる人に、刺さっただけ
異変は、
数字じゃなく――
メッセージから始まった。
*
「長文、来てるよ」
ひよりが、
少し驚いた声で言う。
*
画面を開く。
スクロールが、
止まらない。
*
《今まで予想屋にいくら使ったか分かりません》
《初めて“賭けない日”を作れました》
《収支が、プラスで安定しています》
*
派手な言葉は、
どこにもない。
でも――
熱がある。
*
「これは……」
「来たね」
ひよりが言う。
*
翌日。
数字が、
静かに跳ねた。
*
1日3件だった購入が、
10件。
20件。
*
広告も、
宣伝もしていない。
(口コミだ)
*
競馬界隈は、
狭い。
でも――
本当に困ってる層は、
横で繋がっている。
*
「当てないのに、
評価されるって」
「珍しいよね」
*
「でも」
ひよりは言う。
「一番、
信用できる」
*
価格を、
少しだけ上げた。
怖かった。
でも――
下げなかった。
*
「価値は、
安売りしない」
教授の言葉が、
よぎる。
*
結果。
売上は、
倍になった。
*
慌てない。
増やさない。
壊さない。
*
やることは、
変えない。
*
夜。
二人で、
ベランダに出た。
*
「ねえ」
ひよりが言う。
「これさ」
「はい」
「普通に、
お金持ちへの
道じゃない?」
*
俺は、
即答しなかった。
*
(まだ、
入口だ)
でも。
(確かに、
道は見えた)
*
桐生こういちは、
確信する。
これは、
ギャンブルじゃない。
設計された増加だ。
*
収益は、
一段、上に行った。
次は――
守れるかどうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます