第3話 人狼の宴

百鬼夜行が去ると、夜は一度、空になる。

その隙間に、人狼の夜が差し込む。


談話室では、円卓が用意されていた。

集まるのは人、妖怪、そして――どちらでもない者。


「今夜は十五人村だ」


誰かが言う。

善之は参加しない。

彼は“場”だ。


人狼の夜に必要なのは、疑いと沈黙。

正体を隠す者と、見抜こうとする者。


奇妙なことに、妖怪ほど人狼を演じるのが下手だった。

嘘に慣れていない。

嘘をつく必要がないからだ。


最初に脱落したのは、人だった。

次は妖怪。

そして最後まで残るのは、いつも――中途半端な存在。


夜が深まるほど、外の雪は静かに積もっていく。

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