第42話 身体強化の真価


大聖堂が

震え始める。


祭壇の奥で、

司祭たちが

詠唱を始めた。


世界を

削る呪文。


次郎は

理解する。


身体強化は

力を

与えるスキルでは

ない。


世界に

合わせて

自分を

変える力だ。


だから、

壊れない。


次郎は

走る。


剣を振る。


司祭の詠唱が

途切れる。


結界が

崩れ、

魔力が

散った。


勇者は

呆然と

立ち尽くす。


「これが……

剣士……」


次郎は

振り返らない。


「考えろ」


「世界のために、

何を

捨てるのか」


大聖堂の

歪みが

消えていく。


夜明けの光が

差し込んだ。


老剣士は

静かに

剣を納める。


役目は、

まだ

終わらない。


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