第33話 剣士と勇者


地上に戻ると、

日が傾いていた。


迷宮の入口で、

二人は並んで立つ。


「ありがとう」


勇者は

素直に頭を下げた。


「礼は要らん」


次郎は

剣を布で拭く。


「剣は、

自分で

振れるようになれ」


勇者は

強く頷いた。


肩書きより、

技より、

生き方を

学んだのだ。


次郎は

一人、

ギルドへ戻る。


老剣士の道は、

変わらない。


だが、

背を追う者が

増え始めていた。


それは、

負担ではない。


剣士として

生きてきた証だ。


次なる迷宮。

次なる戦い。


老剣士は

今日も剣を握る。


静かに、

確実に。


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