第31話 新迷宮の流儀


新迷宮の内部は、

静まり返っていた。


音が吸われ、

距離感が掴みにくい。


次郎は

一歩ごとに

足裏で床を確かめる。


「焦るな」


背後では、

若き勇者が

同じ動きを真似ていた。


呼吸。

視線。

剣の高さ。


すべてを

盗もうとしている。


現れた魔物は、

先ほどより

明らかに強い。


鑑定が走る。


《迷宮生成体

レベル23

反応速度:高》


次郎は

身体強化を

一度だけ使う。


それ以上は、

必要ない。


魔物が

剣を振る。


次郎は

受けず、

ずらす。


勇者も

同じように

一歩遅れて動いた。


斬撃が交差し、

魔物は

崩れ落ちる。


「……今のだ」


次郎は

振り返らずに言った。

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