第19話 接近する影


灰石の穴から戻ると、

ギルド前に

見慣れない馬車が停まっていた。


王城紋章。


次郎は

一瞬だけ視線を向け、

足を止めない。


「秋山次郎殿」


背後から

声がかかった。


振り返ると、

王城付きの使者が

丁重に頭を下げている。


「王より、

お話がある」


「断る」


即答だった。


使者は

言葉に詰まる。


「危険な用件なら、

冒険者ギルドを通せ」


次郎は

それだけ告げ、

建物に入った。


王城は、

剣士の居場所ではない。

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