第16話 静かな名声


冒険者ギルドの朝は、

妙に落ち着きがなかった。


掲示板の前に

人が集まり、

視線が泳ぐ。


次郎は

その空気を背中で感じながら、

依頼書を見ていた。


「老剣士、

中層を制圧」


誰かが、

小さく呟く。


次郎は振り返らない。


評価は、

自分の外にあるものだ。


受付嬢が

一枚の依頼書を差し出す。


《灰石の穴

深層手前

魔物間引き》


「指名です」


「……そうか」


次郎は

静かに受け取った。


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