第14話愛の数式 ── 0%のその先へ
「消えろ。計算上の勝率は0.00%だ」
金剛が操る巨大ロボット『機神(デウス)』の腕が、豪風と共に振り下ろされた。
侍は太刀で受け止めるが、その圧倒的な出力に足元の床が砕け、膝をつく。
「ハリー!」
「無駄だ。感情などで物理法則は覆せない」
金剛の冷徹な声が響く。
追撃のレーザーが侍を襲う。かわしきれない──そう思った瞬間。
「ワンッ!!」
青い閃光が走り、レーザーを空中で相殺した。
雷龍の力を解放した白い犬が、機神の顔面に噛み付き、装甲をスパークさせているのだ。
「小賢しい獣風情が……!」
機神が腕を振り回し、犬を振り払おうとする。そのわずかな隙が生まれた。
「今よ、ハリー!」
姫が叫ぶと同時に、彼女は両手を組み、祈るように歌い始めた。
そのメロディは、あの聖域で響いていた**「432Hz」**の音色。
癒やしの波動が空間を満たし、機神の動きを鈍らせる。
「な、なんだ? 制御システムにノイズが……? エラー、エラー……まさか、私の論理(ロジック)が侵食されているというのか!?」
金剛が初めて狼狽した声を上げた。
計算外のエネルギー。それは「誰かを守りたい」と願う、心の共鳴音だ。
「言ったはずだ。貴様の計算には『心』が入っていないと!」
姫の歌声と、犬の雷撃。
二つの援護を受けた侍の太刀が、太陽のような輝きを放つ。
侍は地面を蹴った。
「これで……終わりだァァッ!」
一閃。
黄金の軌跡が、機神の分厚い装甲を、そしてその奥にある動力炉を、一直線に貫いた。
時間は止まったかのように静まり返り、やがて──。
ドォォォォン!!
大爆発と共に、巨大な機神が崩れ落ちた。
黒い煙の中から、侍がゆっくりと立ち上がる。
「……勝率0%? 残念だったな。僕たちの愛は、無限大だ」
科学の塔が揺らぐ中、勝利の光が三人を照らしていた。
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