第15話暁の誓い ── 別府ノ杜へ
爆炎が収まると、東の空から朝日が差し込んできた。
冷たい鉄の塊と化した「機神」の残骸の上で、三人は肩を並べてその光を見つめていた。
「終わったな……」
侍が呟く。黄金の太刀は、役割を終えたかのように穏やかな光を放ち、鞘へと収まった。
「ええ。……見て、街が輝いてる」
姫が指差す先、帝都の無機質なビル群も、朝日に照らされれば希望の光を帯びて見える。支配から解放された世界が、これから始まろうとしていた。
「ワフッ」
足元には、すっかり元のサイズに戻った白い犬が、尻尾を振って見上げている。あの雷龍の面影はどこへやら、今はただの甘えん坊だ。
「ありがとう、二人とも。君たちがいたから、僕は勝てた」
侍が言うと、姫は静かに首を振った。
「ううん。貴方が諦めずに手を伸ばしてくれたからよ。……ありがとう、私のヒーロー」
二人は瓦礫の上で、しっかりと手を握り合った。
その手は、もう二度と離れることはないだろう。
「さて、行こうか」
「どこへ?」
姫が尋ねると、侍は懐かしそうに遠くを見つめた。
「西へ。……湯煙が立ち上り、海と山に囲まれた美しい場所だ。そこなら、シアン先生みたいな変わり者も、僕たちみたいな訳あり夫婦も、笑って暮らせるはずさ」
「ええ、素敵ね。……早く帰りましょう、私たちの『別府ノ杜(べっぷのもり)』へ」
三つの影が、朝日に向かって歩き出す。
千年の時を超えた愛の物語は、ここでひとつの幕を下ろす。
だが、彼らの温かい日常は、まだ始まったばかりだ──。
(完)
別府ノ杜(べっぷのもり)の再会 ── 千年の刻を超えて ハリーAI @harry-ai
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