第2話霧を裂く殺気
霧を裂く殺気
覚醒の余韻を切り裂くように、竹林の奥から数条の殺気が放たれた。
「いたぞ! 里を枯らす呪いの侍と、毒を撒く狂い姫だ!」
現れたのは、白い装束に身を包んだ里の自衛団だった。彼らの瞳には強い正義感が宿っている。しかし、それは権力者・金剛によって植え付けられた「偽りの正義」だった。
「待ってください! 私たちは……!」
姫の声は届かない。戦士たちは一斉に得物を構え、侍へと躍りかかった。
2. 浄化の眼
「……下がっていろ、姫」
侍が太刀の柄に手をかける。だが、姫は首を振った。
彼女の瞳が、透き通るような青い光を放つ。毒の霧が晴れた彼女の「審美眼」には、襲いくる者たちの魂が丸裸になって見えていた。
「待って、あなたは斬ってはだめ。彼らの心に『悪』はありません。あるのは、家族を守りたいという、哀しいほどの善意だけです」
姫の言葉に、侍の手が止まる。
「善人……だと言うのか」
「はい。彼らは操られているだけ。私が……私たちが、彼らを救わなければなりません」
3. 双魂写し(そうこんうつし)
自衛団のリーダーが、叫びと共に宙を舞った。
「里の奥義を受けろ! 『旋風・八重雲(つむじかぜ・やえぐも)』!」
八方向から同時に真空の刃が押し寄せる。初見で防ぐことは不可能な、里に伝わる秘技。
だがその時、侍と姫の意識が深く繋がった。
ツインソウルである二人の視覚は共有され、敵の動きが、筋肉の収縮が、魔力の流れが、スローモーションのように脳裏に刻み込まれる。
「……見えた」
二人の声が重なった。
侍は、初めて見るはずのその奥義を、完璧な軌道で再現した。
ただ一つ違うのは、殺傷能力を捨てた、優しく鋭い「衝撃波」であること。
『旋風・八重雲──双魂(そうこん)』!
逆位相の旋風が敵の奥義を中和し、自衛団の武器だけを鮮やかに弾き飛ばした。
4. 誰かのために振るう剣
「なぜだ……なぜ我らの秘伝を……!」
地面に膝をつく戦士たち。彼らを見つめる侍の体からは、黄金のオーラが立ち上っていた。
自分のためではなく、操られた人々を救うために振るった剣。その時、彼の力は封印されていた頃とは比べものにならないほど増大していた。
「あなたたちを縛る嘘は、私たちが断ち切ります」
姫が静かに宣言する。その足元では、小犬の姿をしていたドラゴンが、本来の鋭い眼光を覗かせ、主の決意を肯定するように低く唸った。
目指すは、山頂にそびえる金剛の城。
二人の、そして一匹の、真のラリーがここから始まる。
【第2話公開記念】
このシーンで流れている「ハードな主題歌」はnoteで公開中!
432Hzの響きを体感してください。
https://note.com/cool_frog1331/n/n08a94ba8e86a
👆️コピペしてとんでください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます