第5話 七草ゆきの、胃袋会議

正月明け、胃袋は会議を開く。

議長は胃。書記は腸。参加者は肝臓、膵臓、そして心(なぜか出席する)。


議題:「おせちと餅の連続攻撃からの回復策」


そこへ現れるのが、七草がゆ。

春の草たちは名札をつけてやってくる。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。


胃が言う。

「やさしい……やさしすぎる……」

腸が拍手する。

「流れがいい!」


心は静かに言う。

「今年の健康運は“整える”でいこう」


七草がゆは、ただの食事じゃない。

正月の豪華さに対するバランスの儀式だ。

縁起とは、派手さだけじゃない。回復もまた縁起。


会議は満場一致で可決。

胃袋は深くうなずいた。

「来年も、同じ議題で会いたい。つまり——元気でいたい」


窓の外では、冬が少しだけやわらいだ気がした。

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