第五夜 見覚えのある輝き

その後大きな雨が降った後、以前と同じような日が何度か過ぎた。

木々には葉が出始め、草木には緑が戻り始めていた。

皆の服は少し綺麗に整えられ、皆布を被り温かく寝ることができていた。

「全部あんたの親父さんのおかげだよ。」

皆口々にそう言った。

父はといえば傷は塞がり、体を走る線も徐々に引き始めていた。

「ほら奴隷ども、ささと働け。」

管理人は以前より少し痩せたように見えた。

加えて以前より鞭を振る頻度が減っていた。

あの青年が荷物を落としても、細身の男が休んでいても、

「気にするなーー。すぐ仕事に戻れよ。」

というばかり、あの乾いた音が響き渡ることはなくなっていた。

私たちからしたらいいことではあるのだが、

なんともいえないその不気味さから、私たちは目を背けていた。

「なあ誰かこの箱を一緒に運んでくれないか。」

細身の男が皆に呼びかけていたが、生憎皆両手が塞がっていた。

「じゃあ父さん、ちょっと行ってくるから。いい子にしていなさい。」

そういうと父はそれなりの木箱を肩に担ぎ、空いた手で運搬を手伝っていた。

私は小さな荷物を市場に運び終え、父を探しに戻ろうとした。

その時、正面で薄着の少年が転び、ちゃりんと金貨をばら撒いていた。

私は歩み寄り少年の手を引き起こした。

私より幾ばくか年下であろうか、まだ幼さを感じる子だった。

少年は何も言わなかった、

ただその目を意外そうに見開き私のことを見つめた。

「王子、大丈夫ですか。おやーー。」

金貨と同じ色の鎧を纏った男が駆けつけ、私を見るなりそう言った。

眩しいくらいに光を反射するその鎧は、どこか見覚えのある輝きを放っていた。

「王子、いけませんよ。さあさーー。早くいきましょう。」

鎧の男は金貨を集め拾うと、少年の背に手を添え、

私のことなど目もくれずにそそくさとその場を去っていった。

私は俯き、父の元へ帰った。


ーーーーーーーーーーー

あとがき

管理人は何かに怯えていた。

この王国についても本作では深くは語られませんが、いずれは王国サイドでのエピソードも書きたいと思っています。

私の作品では都市や施設、地理関係や時系列などバラバラに書いているのですが、その多くの情報にはある程度の一貫した歴史を持たせています。

他の作品を読んでいただいた方、「この場所もしやー。」や「あの話はこの時代かー。」

と言った、読者の皆様には多くの「心あたり」を感じていただきたいです。


これからもどんどん上げていくので、もしよろしければ、

フォローといいね、称賛していただけると励みになります。

これからもよろしくお願いいたします。


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