第6話 カウンセリングにて③

「今日はこの辺にしておきますか」

 白衣の男の言葉に、私は急に寂しさを覚えた。以前なら少しむっとしていた私だが、最近はすんなり受け入れられている。

「それから、お薬は毎日飲んでいますか?」

「いえ、最近飲み忘れる日が増えて来ました」

 男はまた何かを記し、

「そうですか、それはいい傾向だと思いますよ」

 また何かを記す。

「どうでしょうか、もう少し優しいお薬にしてみるのは」

 眠れなかったらどうしよう、とは思わなかった。

「そうですね、試してみたいです」

 男は少し表情を緩めて、

「それはよかった」

 嬉しそうに言った。なんだかその表情に私もつられて、嬉しくなった。

「もうすぐ秋になります。季節の変わり目は体調を崩しやすいですから、気を付けてくださいね」

 そう言って、今日のカウンセリングは終わった。

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