第3話 避妊具の自販機
翌週 土曜日
香と智也は、古川雑貨店を智也が書道教室に入る為に訪れた。
店先までくると、そこに〝避妊具の自動販売機〟があった。
智也は、その自販機に向かい「お母さん?これなあに?」と聞いた。
香は、「え⁈これは、ねえ‥これは‥チョコレートよ!チョコレート!」と苦しい言い訳をした。
智也は、「チョコレート!いいな〜お母さん!チョコレート買って!買って!」とせがみ出した。
「ダメ!智也、虫歯になるでしょ!ダメ」と駄々を捏ね出した智也を説得する。
「ちゃんと歯磨きするから!買って!」と香の手を引っ張り、しゃがみ込んだ!
そこへ、婆ちゃんが店先に出てきた。
「お婆ちゃん!これチョコレートですよね!」と香は婆ちゃんに助けを求めた。
婆ちゃんは、「そうじゃ、チョコレートじゃ!
大人しか食べられないチョコレートじゃよ!」と同調した。
納得のいかない智也は、「なんで、大人しかたべられないの?」と食いさがる。
香と婆ちゃんは困り果てた。
そこへ、長男清一、新聞記者の書道の先生が通りかかった。
婆ちゃんは、清一に「清一!これは、大人しか食べれないチョコレートじゃよな!」と巻き込む。
清一は、駄々を捏ねる智也を見て察し、コートのポケットから、チョコレートボンボンを出して、「ボク、これが、そのチョコレートだよ!
食べてみる?」と智也に見せた。
婆ちゃんは、「ダメじゃ!まだ早い!」と止めた。
清一は肩まである髪をかき分け、「ボク?このチョコレートは、〝お酒〟が入ってるんだよ!
酔っ払っちゃうよ!小学5年生くらいにならないとあげられないな!」としゃがみ込んで説得した。
智也は、「え!お酒!ビールみたいに苦いの?」のと聞き返した。
清一は、「そうだよ!すんごい苦いから!」と
笑みを見せた。
香は、その清一のスマートな立ち振る舞いに、
好感を持った。
婆ちゃんは「清一、この子じゃよ、新しい生徒は!」と紹介した。
「そっか!じゃあ、ちょっと準備するから、お店で待ってて」と言い残し、書道教室のある2階へ向かった。
香と婆ちゃんは、安堵のため息をはき、苦笑いした。
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