後天性アレルギー持ちの勇者(全4話)

第3話、「対決! 淫魔サキュバス!」


「死んでしまうとは何事だ!」


 ……今度は何をしくじったのだろう? また口の悪い王様の前に座らされている。


「お前今度失敗したらお前の(ピー)を(ピー)にして(ピー)かいてやるからな!? この(ピー)」


「王様! 落ち着いてください。このもの、今回は城からだいぶ離れたところで泡を吹いて倒れていたそうにございます」


 泡を吹いて倒れていた……つまりは


「アレルギーやったじゃねえか!? オイー! なあ!? (ピー) (ピー) それとも(ピー)」


「勇者よ。国王の怒りはもっともです。一体外で何があったのか思い出すのです!!」


 そう言われて俺は、死ぬ前の記憶を辿った……


 * * * * *


 あれはー……西の山脈の洞窟手前での出来事だった。


 入り口で待ち受けていたのは、妖艶な人間の姿をしたモンスターだった。

 

「あらぁ勇者さん? 相変わらずお一人で寂しいんじゃない? 戦いなんかやめてー、

 アタシといいことしませんこと?」


 この喋り方……間違いない。こいつはサキュバスだ。


「というのも、昨日もアタシ、カレシのインキュバスでしょー? 魔王様のお孫さんでしょー? サイクロプスでしょー?  

 デュラハンちゃんでしょー? オタクのお城の大臣さんでしょー? 五人と遊んじゃって体力ビミョーでー。

 とてもたたかいどころじゃないの。 だから戦うよりもー……」


「ぬん」


 俺はサキュバスの誘惑に一切動じることなく一太刀に切り伏せた。

 その返り血を浴びた……後の記憶がない。


 * * * * *


「サキュバスに負けただあ!? お前はとんだ(ピー)の(ピッピー)だな! この(ピー)にもなれない(ピー)……(ピー)!」


「待ってください王様! 状況が妙です! このもの、確かにサキュバスさんに勝利してます。

 その上でアレルギーの症状というのは説明がつきません!」


「むう……確かに。サキュバスには卵要素はないな。一体何が……」


「……恐れながら王様、私はすでに勘づいているのですが……サキュバスは昨夜、五人の者と『遊んだ』と申したそうです。それを一般的になんと言いますか?」


「ええ? ……『5又』?」


「逆さから読むと?」


「……ごまた ……た、たま……ええ!? それもダメなの!?」


 なんてこった! 『それ』も『卵』として換算されてしまうのか!? 

 どんなに恐ろしい症状なんだ後天性卵アレルギーは!!


「というか大臣、お前……敵の魔物と何してくれてんだあ?」


「……」


 こうして大臣は更迭され、本来5股のところを4股にすることでこのサキュバストラップを回避することになった上に、

 いつ誰が5股をしているかわからないので、俺は基本、女人と、いやいやいや……このご時世、『女人』などとカテゴライズするのは差別につながる。

 『全生物』と触れることは禁じられてしまった。


 ああ、簡単な任務のはずがなんて厄介なのだ。アレルギーとは……



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