7話「トラップ」
さてさてー。
この夢を見始めてから色々なことがあった。ここでちょっと振り返ってみようか。
一、なんか馬鹿みたいに広いダンジョンにゴキちゃんとして投げ出された。
二、訳も分からず殺されそうになること数回。
三、俺は進化してアベラギウム(竜種)とか言う名称詐欺の蜘蛛モンスターになった。以上。
……なんやこの夢、ふざけすぎだろ。
唯一の救いはカマキリ肉がめっちゃ美味しかったことぐらいじゃねーの?
とりあえず「射出」スキルをゲットするためにレベル上げでもするかなー。
そうすればもうちょっとゲームらしく楽しめるだろうし。
カマキリの血を啜ってたらまたレベルが上がってスキルポイント貰えたんだよな。「射出」の200ポイントまであと15ポイントなんだが、これって割とすぐじゃね?
なんだかんだ言ってレベルはすぐ上がるし、「鑑定」で無駄遣いしてなかったら余裕で200ポイントは超えてる。
そう、あのクソスキルの「鑑定」取得で100ポイント失い、「鑑定Lv.2」にするのに50ポイントをドブに捨てた。許すまじ「鑑定」。もう二度とお前には投資せん。
それにしても……。
俺はカサカサと通路を歩きながら周囲を観察する。
やっぱここ広いなー。
天井まで100メートルはあるし、奥の方なんか真っ暗だ。分かれ道も多いうえ、それが左右だけじゃなくて上下にも分かれてる。
それだけでも高難度ダンジョンなのに、ここにいるモンスターは軒並みハイレベル。あのカマキリとかドラゴンに勝てる人間なんていねーと思う。遭遇=死亡フラグ。そんな言葉がピッタリな奴らだ。
まあ、俺が魔王になったらカマキリなんか養殖場行きだし、ドラゴンなんてペットにするけどな。
だが今は絶対に勝てん。
今の俺はまだレベリングを始めたばかりのモンスター。じっくり行くさ。
「グエ! グエ!」
手始めに穴に落ちたデカいカエルモンスターでもぶっ殺すか。
ふ、俺が何も考えずダンジョン散歩してると思ったか?
実は強酸で俺がすっぽり入れて抜け出せなくなるような穴をたくさん作っておいたのだ!
ようは偽装無しの落とし穴。今はあちこちに作ったトラップ確認の真っ最中ということ。
考えたんだよ。
今まではモンスターから逃走してレベルアップしていた。だがしかし、一歩間違えれば死亡フラグを踏み抜いていた状況ばかり。なら「普通にモンスターを倒した方がいいじゃね?」という平和的な答えに行き着いた。まあ普通のRPGのレベリングって事だな。
倒せる範囲のモンスターを無理なく倒してレベリング。あいにく俺は死闘を演じるようなスリリングな展開は求めてねーんだわ。
つーわけで、死ね、カエル!
オエェェェーーー――。
「グギャ!? ギャギャギャ――!?」
ゲロ攻撃――じゃなくて強酸攻撃を穴の上からカエルの頭上におみまいする。
「ギャ……ギャ……ギャ……」
グロ!
見てるんじゃなかったわー。
モザイクかけろや防衛本能。怖いもの見たさの好奇心が上回ったのか?
そしてクセェー!
夢のくせに嗅覚まで再現してんじゃねーよ。少しは自分を労れ、俺の脳。
ジュウゥゥゥ……。
カエルモンスターは骨を残して消滅したようだ。
……骨モンスターになったりしないよな? 一応トドメいっとくか。
追加のゲロ投入。
ジュウゥゥゥ……。
骨も溶けてやたら深い穴ができてしまった。無関係な人が落ちたら危ない気がするが……ま、いいか。
どうせこんなとこにいるのはモンスターだけだろうし、文句言ってくる奴なんかいねーわな。
それよりもレベルは? アップしねーの?
まさか殺すのはノーカンとか言わねーだろうな? そんなこと言ったら殴り込み掛けるぞ。
《経験値が規定に達しました。レベルが5から8に上がりました》
よしきた! 一気に3レベルアップ!
これで200ポイント超え確実!
《スキルポイントを5獲得しました。保有スキルポイントは190です》
殴り込み掛けるぞ。
3レベルもアップしてなんで5しか貰えねーのか説明しろ。
《……》
ふうぅぅぅー、ビークール、ビークール……。落ち着け、俺。
これはそういうゲームで、コイツはそういう奴だと学んだはずだ。大人になれ、俺。
《……》
あー、でも納得いかんわー。
今までの最低獲得ポイントは1レベルで5ポイントだったはず。5レベルアップで30とか貰えたときもあった気がする。なのに今回は3レベルでたったの5。うーむ、意味わからん……。
まあ、考えても分からんもんは分からんし、次のトラップの確認でもするか。
作った穴はまだまだある。あと一~二匹カエルのような雑魚モンスターを倒せれば10レベルだ。そうすれば進化してスキルポイント大量ゲット。それでいいいじゃーねーか。
大人な対応の俺に感謝しろよ、天の声。
《……》
さーて、次はどんなアホモンスターが穴に落ちてるかなー。
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