第4位
かなり田舎のほうに行ったことがあってさ。
そのとき、バスを待ってたんだよね。次のバスまで三時間くらいあった。
近くを散策しようかとも思ったんだけど、あいにく天気が悪くて、今にも降り出しそうな空でさ。
途中で降ってきても困るから、結局、大人しくバス停で待つことにしたんだ。
バス停って言っても、木の長椅子がひとつ。それを囲うように壁があって、屋根もあったけど半分程度で腐り落ちてたし、残ってるところだって穴だらけ。それに、正面にドアはなかった。
……まあ、かなりの歴史を感じたね。
で、案の定、降り出してさ。あらかじめ端っこの方にいたから、なんとかしのげてた。……まあ、雨漏りはしてたけどね。
しばらくそんな感じでじっとしてたら、ずぶ濡れの猫がやってきたんだよ。
地域の人に可愛がられてるのか、全然こっちを怖がらない。
こっちを見て『にゃー』って鳴いてさ、そのままベンチにぴょんと飛び乗って――俺の隣に座ったんだ。
持ってたタオルで軽く拭いてやって、あとは自分で握ったおにぎりを分けてあげて。
塩なんて面倒で振ってなかったから、猫にあげても大丈夫だったんだよ。
食べ終わったら、膝に乗ってきてさ。
寒かったんだろうな。
タオルでくるんであげたら、そのままスースー……いや、いびきかいて寝ちゃってさ。
猫もいびきかくんだよ。知ってた?
そんなふうにのんびりしてたら、ようやくバスが来てね。
名残惜しかったけど、そっと下ろしてあげた。
その頃には雨も小降りになってたな。
バスに乗って振り返ったら、まだあの猫、ベンチに座っててさ――こっち見てた。
なんか、しっかり見送られてる感じがして、ちょっと照れたよ。
……ちなみに、ズボンにはでっかいシミができてて、ちょっと恥ずかしかった。
そんなわけで、第4位は『猫とバス停での雨宿り』。
え?どんな猫だったかって?
三毛猫。すごくかわいかった。
え? 声? 大きさ? 毛並み?
――って、ちょっと待って!猫にばっかり食いつきすぎじゃない!?
雨宿りの話もちゃんと聞いてよ!
……でも、まあ、猫はかわいいよね。
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