第17話 番場拳一登場!
鉄心の剛速球とサキのギャンブル狂気が渦巻く中、オリオン通りの喧騒を割って、さらに凄まじい「肉体の鼓動」が近づいてきた。
二荒山神社のふもと、バンバ通り周辺をロードワークの縄張りとする男が、シャドーボクシングをしながら納豆の海を軽快なステップで渡ってくる。
■ 街の守護拳:
職業: 現役プロボクサー(日本ライト級ランカー)
住居: 宇都宮バンバ通り近くの古いアパート
特徴: 「バンバの虎」と呼ばれるハードパンチャー。常に減量中で、宇都宮餃子の匂いを嗅ぐだけでアドレナリンが出る特異体質。
現在の匂い: 「強烈なメントールの湿布薬」と、「使い込まれた本革グローブ」、そして減量の極限状態で研ぎ澄まされた**「野生の獣の匂い」**。
「……鉄心、遅ぇぞ。ロードワークの邪魔だ、この納豆は」
番場は、掃除屋の女が差し向けた特殊部隊の面々の前に立ち塞がった。銃を構える工作員に対し、彼はノーガードでじりじりと距離を詰める。
「おい、掃除屋。あんたの纏ってる『無臭』ってやつ……鼻につくんだよ。宇都宮の男はなぁ、汗と餃子の匂いを撒き散らして、泥臭く生きてんだ」
「……ただのボクサーが、銃を前に何ができるというの?」
掃除屋の女が冷酷に合図を送る。
工作員が引き金を引こうとした瞬間、番場の**「超高速の左フック」**が空気を切り裂いた。弾丸よりも速いその拳は、銃口を叩き潰すと同時に、工作員のアゴを正確に射抜いた。
「鉄心! 投げる石がねぇなら、俺の拳を信じてコースを指示しろ!」
変美が叫ぶ。
「番場さん! 右斜め45度、掃除屋の足元! そこに**『地下アジトの支柱の弱点』**がある! 納豆の油分で腐食した鉄筋の匂いがするわ!」
「おうよ、姐さん! 宇都宮の地盤、俺が打ち固めてやるぜ!」
番場は、ギャンブル狂いのサキが投げ捨てたハズレ舟券を滑り止め代わりに足に巻き、地面を蹴った。彼の放つ**「宇都宮・バンバ・ストレート」**が、地下へと続く通気口のボルトを直撃する。
鉄心の剛球が空を支配し、番場の拳が地を砕く。
さらに、サキが群馬で培った「勝負師の勘」で起爆装置のタイミングを狂わせる。
「……ありえない。これが……この地方都市の底力だというの……!?」
掃除屋の女は、初めて恐怖に顔を歪めた。彼女の完璧な「無臭の世界」は、プロボクサーの汗と、高校球児の石と、ギャンブラーの執念という、あまりにも濃厚な「人間の匂い」によって粉々に打ち砕かれた。
宇都宮の静寂
ノックアウト: 番場の一撃で地下アジトが崩落し、プルトニウムは安全装置が作動した状態で唐桶刑事に回収される。
最後の匂い: 掃除屋の女は連行される際、変美にだけ聞こえる声で「……次は、もっと深い闇の匂いをさせて戻ってくるわ」と囁く。
エピローグ: バンバ通りの屋台で、変美、マサ、唐桶、鉄心、サキ、そして番場が並んで餃子を食う。変美は「……ふふ。やっぱり宇都宮は、この匂いが一番落ち着くわ」と微笑む。
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