第9話 Eランク洞窟での小さなトラブル
朝の光が悠木市を柔らかく照らす中、村尾仁は
今日もギルドへ向かって歩いていた。
昨日の探索で得たレアドロップとスキルで、
少し冒険者らしい自信が芽生えていた。
「今日は、Eランク洞窟で少し新しいルートを試すか」
仁は小さくつぶやく。坂江幸奈も微笑んで頷いた。
「無理せず行きましょうね。慎重にね」
仁は防具と回復ポーションを確認し、経験値倍増スキルも
セットして準備万端だ。
洞窟に入ると、湿った空気と鉱石の匂いが漂う。
光る鉱石や微かに揺れる水晶が、静かに輝いていた。
「慎重に行こうね」麗奈が声をかける。
二人は互いに目配せしながら、少しずつ奥へ進む。
途中、狭い通路で小石が落ち、仁は少し足を滑らせそうになる。
身体強化スキルで踏ん張り、無事に通り抜けた。
「危なかった……」仁は息を整える。
「無理せず進めば大丈夫だよ」麗奈が優しく声をかける。
奥に進むと、中型モンスターが出現。
Fランクより体格が大きく、少し緊張する仁。
「大丈夫、冷静にね」麗奈が言う。仁は深呼吸し、
ウィンドカッターを放つ。モンスターは抵抗したが、
二人の協力で無事に撃退する。
洞窟の分かれ道で、小さな宝箱を発見。仁は鑑定スキルを使い、
中身を確認する。
「これは……少し耐久力が上がる防具だ」
「役に立ちそうね」麗奈も頷く。
さらに進むと、小さなトラップが現れた。
床に仕掛けられた針のようなものがあり、踏むと危険だ。
仁は慎重に鑑定スキルを使い、トラップの位置を確認。
「よし、これなら安全に通れる」
二人は慎重に通り抜け、洞窟の奥へ進む。
小さな泉があり、水面に光が反射して幻想的な景色が広がる。
「探検は戦闘だけじゃない、こういう発見も楽しいな」
仁は独り言のように言う。
帰り道、洞窟の狭い通路で滑りそうになるが、仁は身体強化スキルで踏ん張り、
無事に通り抜ける。小さなトラブルも、自分の成長を確認する機会になる。
外に出ると、夕日が谷を赤く染めていた。
街に戻れば、ギルドで報告と経験値の反映だ。
「今日も無事に帰れたな」仁は胸を撫でおろす。
小さなトラブル、仲間との協力、発見――すべてが、
自分のスローライフ探索者ライフを彩るものだと実感する。
ギルドで幸奈に報告すると、彼女は満足そうに微笑む。
「少しずつ冒険者らしくなってきましたね」
仁は頷き、今日の探索を手帳に記す。
「明日も、自分のペースで楽しもう」
静かに決意し、無職少年・村尾仁の冒険は
また一歩、前に進むのだった。
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