第8話 Eランク洞窟での珍しい発見
朝日が悠木市を温かく照らす中、村尾仁はギルドへ向かって歩いた。
昨日のEランク洞窟探索で、少しずつ自信がついた気がする。
「今日はもう少し奥まで行けるかな」仁は小さくつぶやく。
坂江幸奈が微笑みながら声をかける。
「無理せず行きましょうね。珍しい場所ですよ」
仁は頷き、防具や回復ポーションを確認する。
経験値倍増スキルもセットし、準備万端だ。
洞窟に入ると、冷たく湿った空気と鉱石の匂いが漂う。
壁に光る鉱石や微かに揺れる水晶が、幻想的に輝いていた。
「慎重に行こうね」麗奈も隣で声をかける。
二人は互いに目配せしながら、少しずつ奥へ進んだ。
途中で小型モンスターが出現。仁はウィンドカッターで軽く攻撃。
スライムはすぐに消え、経験値が少し増える。
「少しずつ戦い方もわかってきたね」仁は微笑む。
戦闘は最小限だが、発見や探索の楽しさを味わうことができる。
奥に進むと、小さな洞窟の分岐で珍しい光景が広がる。
水晶が壁一面に生え、光を反射して虹色に輝いていた。
「わあ……こんな場所、初めて見た」仁は目を輝かせる。
「探索の楽しさは、戦いだけじゃないのね」麗奈も頷いた。
洞窟の奥に、小さな宝箱を発見。仁は鑑定スキルを使い、
中身を確認する。
「これは……少しだけ魔力が上がる指輪だ」
仁は嬉しそうに手に取る。戦闘の力だけでなく、スキルの強化も
少しずつ手に入るのだ。
さらに進むと、小さなレアモンスターが姿を現す。
「わっ……初めて見るモンスターだ」仁は息を飲む。
しかし、戦闘は最小限で済ませたい。
麗奈と協力し、慎重に距離を保ちながらモンスターを観察する。
モンスターは攻撃せず、仁たちは安全に通り抜けることができた。
洞窟の最深部では、小さな泉があり、水面に光が反射して
幻想的な景色が広がる。仁は思わず息をのむ。
「探検って、本当に面白いな……」仁は独り言のように
つぶやいた。
帰り道、洞窟の狭い通路で滑りそうになるが、仁は身体強化スキル
で踏ん張り、無事に通り抜ける。
外に出ると、夕日が谷をオレンジ色に染めていた。
街に戻れば、ギルドで報告と経験値の反映だ。
「今日も無事に帰れたな」仁は胸を撫でおろす。
小さな発見、珍しい景色、レアドロップ、仲間との協力――
これらすべてが、自分のスローライフ探索者ライフを
彩るものだと実感する。
ギルドで幸奈に報告すると、彼女は微笑んで言った。
「少しずつ、冒険者らしくなってきましたね」
仁は頷き、今日の探索を手帳に記す。
「明日も、自分のペースで楽しもう」
静かに決意し、無職少年・村尾仁の冒険はまた一歩、
前に進むのだった。
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