第7話 Eランク洞窟での小さな危険と成長


朝の光が悠木市を照らす中、村尾仁はギルドへ向かって歩いた。

昨日のレア装備と新スキルの習得で、少し冒険者らしく

なった自分を感じていた。


「今日はEランク洞窟をもう少し奥まで探索します」

坂江幸奈が微笑みながら声をかける。


「うん、無理せず自分のペースで」仁は小さく頷く。

慎重に行動することが、スローライフ探索者としての基本だ。


洞窟に入ると、薄暗く湿った空気が漂い、足元の石が

冷たく光る。小さな鉱石やキノコが、静かに輝いていた。


「慎重に行こうね」麗奈も隣で声をかける。

二人は互いに目配せしながら、少しずつ奥へ進んだ。


途中で小型のスライムが群れを作っていた。

仁はウィンドカッターで軽く攻撃。スライムはすぐに消え、

経験値が少し増える。


「少しずつ、戦い方もわかってきた気がする」仁は微笑む。

戦闘は最小限に抑えるが、成長の手応えを感じられる瞬間だ。


奥に進むと、足元がぬかるみになっており、慎重に歩かないと

滑って転びそうだ。仁は身体強化スキルを使い、しっかりと

踏みしめる。


「危なかった……」仁は息を整える。

「無理せず進もうね」麗奈が優しく声をかける。


さらに奥に進むと、中型モンスターが出現する。

Fランクでは見たことのない体格だ。仁は少し緊張する。


「大丈夫、冷静にね」麗奈が言う。仁は深呼吸してウィンドカッター

を放つ。モンスターは抵抗したが、二人の連携で無事に撃退。


「ふう……やっぱりEランクは少し手強いな」仁は笑顔で言う。

戦闘は最小限だが、緊張感と達成感が混ざった不思議な喜びだ。


洞窟の奥で小さな宝箱を発見。仁は鑑定スキルを使い、

中身を確認する。


「これは防御力が少し上がる鎧か……」仁は嬉しそうに手に取る。

「これで少し安心して探索できるね」麗奈も頷いた。


帰り道、洞窟の狭い通路で小石が落ちてきた。

仁は身体強化スキルで踏ん張り、無事に通り抜ける。

小さな危険も、自分の成長を確認する機会になると実感した。


外に出ると、夕日が谷を温かく照らしていた。

街に戻れば、ギルドで報告と経験値の反映だ。


「今日も少しずつ成長できたな」仁は胸を撫でおろす。

戦闘だけでなく、判断やスキルの使い方、仲間との協力も

成長につながることを実感する日だった。


ギルドで幸奈に報告すると、彼女は微笑んで言った。

「無理せず進めば、自然と力がつきますね」


仁は頷き、今日の探索を手帳に記す。

小さな危険、仲間との協力、発見――すべてが自分の

スローライフ探索者ライフを形作るものだ。


「明日も、自分のペースで楽しもう」

仁は静かに決意し、無職少年・村尾仁の冒険は

また一歩、着実に前に進むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る