秘密の特別実習

「じゃあ、実技を始めようか」


僕の言葉に、真理子はコクンと小さく頷いた。

その瞳には、もう逃げるつもりなど微塵もない。あるのは、これから始まる行為への覚悟と、濡れたような情熱の色だけだった。


僕は彼女の華奢な肩を抱き寄せ、積み上げられた古びた体操マットの上へと、ゆっくりと彼女を押し倒した。

ボフッ、と埃っぽい音がして、真理子の柔らかな身体がマットに沈み込む。


仰向けになった彼女を見下ろす。

乱れた半袖の体操服から覗く鎖骨のライン。そして、健康的な太腿を包む、濃紺のブルマー。そのコントラストが、薄暗い倉庫の中でひどく扇情的に映る。


「……先生、お手柔らかにね」


真理子が上目遣いで、少し震える声で冗談めかして言う。けれど、僕の背中に回されたその指先は、シャツ越しでも分かるほど強く食い込んでいた。


「ああ。……しっかりと、身体の奥まで教えてやる」


僕は彼女の腰骨あたりにあるブルマーのゴムに、そっと指をかけた。

さっきまで彼女が解説していた筋肉の躍動、関節の動き。それら理屈のすべてが、今、熱を帯びた肌の実感へと変わろうとしている。


ゆっくりと、濃紺の生地を指先で巻き込むようにして下へと滑らせる。

真理子は恥ずかしそうに目を閉じたが、拒むことなく、むしろ誘うようにわずかに腰を浮かせた。


露わになる、目の覚めるような白い肌。

冷え切った倉庫の空気の中、私たちの周りだけが異常な熱気に包まれていく。肌と肌が触れ合うたび、火花が散るような錯覚を覚えた。


「……っ、ん……」


僕が彼女の身体に覆いかぶさり、体重を預けるように密着させると、真理子の喉から甘く、くぐもった吐息が漏れた。

僕の鼓動と、彼女の早鐘のような鼓動。二つのリズムが重なり合い、やがて一つの激しい奔流へと変わっていく。


「あったかい……佐藤くん、すごい……」


真理子の腕が、私の首に強く巻き付き、僕を逃がさないと言わんばかりに引き寄せる。

保健係としての理屈も、全校生徒の前での建前も、この熱の前では何の意味もなさなかった。


ここにあるのは、ただ互いの体温を求め合う、若い本能の衝動だけ。


薄暗い体育館倉庫。

誰にも見つからない二人だけの教室で、僕たちは理性という名の教科書を閉じ、深く、熱い口づけと共に「実技」へと没頭していった。

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