【問五】何故、貴方にコレを送ったでしょうか?

 クリスマスイブ。僕は今、奈世さんと肩を並べ歩いている。街中イルミネーションがキラキラと輝きまるで銀河の上を歩いているようだった。今日は奈世さんがショッピングに行きたいと言って彼女に似合う服を選んだり、一緒に昼飯を食べたり…まるでカップルのような事をした。


 そして、今から待ちに待った晩飯兼プレゼント交換の時間だ!さっそく僕らは予約していたレストランに入ってプレゼント交換会を始めた。

 

 「はーい!これ私からのプレゼント!」と奈世さんは集合した時からずっと持っていた紙袋を手渡してきた。

「じゃ、じゃあ僕も。こう言うの初めてだからさ。喜んでくれるか分からないけど…。」昨日買った"ロウバイ"の香水を奈世さんに渡した。

「じゃあ、お互い見てみますか!」と奈世さんの元気な声を合図に、僕はドキドキしながら中身を見た。

  

 中身は"ラベンダー"のハンドクリームだった。

 

「男子ってこう言うの塗らないでしょ?だから一個持っておくといい匂いもするしいいかなって!」

「ありがとう。嬉しいよ!」確かに手を手入れする男子は中々少ない。ダジャレはよく言うが。


 「わー!!何これー!!"ロウバイ"?って言う花の香水?」と嬉しそうな奈世さんの声が聞こえた。

「うん。なんか清涼感ある甘い香りで奈世さんっぽいかなぁって思って!」

「へぇ。私の事分かってるじゃん?"ロウバイ"って言う花初めて聞いた!ちょっと調べてみようかな?」と言って奈世さんはスマホで調べ出した。


 うまうまと美味しい料理に舌鼓を打っていると

「へぇ…、そんな意味が。…じゃあ待ってるね。私を一緒に答えまで導いて?」と唐突にいつもの悪戯な笑みを浮かべ、僕に言ってきた。

 

 いつものなぞなぞめいた質問の事だろうか。

「答え?な、何のこと?僕良く分からないなぁ…。」とアニメのキャラが誤魔化す時に使うようなセリフを本当に使ってしまった。

「えー?分かってるんでしょ?いつも私が学校で言ってるやつ。"ラベンダー"のハンドクリーム、もちろん匂いとかも良くて買ったんだけど…。別の意味もあるの!」と奈世さんは少し照れ気味に言った。そこまで言われたら気になってしまう。僕はスマホを取り出し調べようとした。しかし、何と運が悪いのだろう。充電が切れていた。「じゅ、充電が無くなっちゃった。」と僕が言うと「そっかー…。でも逆に良かったかも!!帰ったら絶対に調べて!」と笑顔で言った。今の笑顔はあの悪戯な笑みとは違うものだった。


 それから僕らは美味しい料理を最後まで堪能した後、レストランを後にした。


 駅のホームで解散する間際「徳野君。何故は私はこのプレゼントにしたでしょーか?」ふふっと奈世さんは一息置いて続ける

「私がいつも出している問題はね?全部一つの答えに収束するの。で私は今日、徳野君にプレゼントと一緒にヒントもあげたの!ラベンダーがヒント!これでも分からなかったら私から答え言っちゃうからね…?」と少し俯き、笑いながら僕にコツンっと体当たりしてきた。

「僕は意外と負けず嫌いだから!先に解かせてもらうよ!」と言った。いつの間にか僕は奈世さんと普通に喋れるようになっていた。


 奈世さんは恥ずかしそうに笑うだけだった。


 家に着いた後、スマホを充電し早速ラベンダーについて調べてみた。


  「"あなたを待っています。"か…」


僕は考える。僕は一連の出来事で奈世さんとの関わりや会話も増えたし、正直言って…僕は奈世さんの事が好きになっている思う。そして少し気恥ずかしくてこの"答え"から逃げていたが奈世さんも僕のことがー。


      好きなんだと思う。


ふと「私を一緒に答えまで導いて?」という奈世さんの言っていた事を思い出した。"ロウバイ"はどう意味だったんだ?調べてみる。

      

       「"先導"…。」


 奈世さんは僕にいつも質問混じりな事を言ってくる。いわば出題者だ。そして回答者は僕。

     

  僕は一つの答えを胸に、覚悟を決めた。


【徳野、問五の答え】奈世さんは僕の事が好きだから。

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