【解答、解説編】奈世さんは、「何故」と僕に問いかけるのをやめた。

 覚悟を決めたのはいいものの、学校などで時間が作れず答え合わせが出来ずにいた。相変わらず奈世さんは僕にちょっかいをかけ続ける相変わらず騒がしく楽しい日々が続いた。


 そして、時は流れ修了式前日のこと『奈世さん、答えが分かったよ。明日学校が終わったら一緒にあのレストランに行こう。』しっかり午前零時になっていない事を確認して、メッセージを送った。

『やっと分かったんだね。徳野君の答えが楽しみ!!』と可愛い兎のキャラとその相方のキャラの絵文字付きで返信が来た。

『奈世さんほんと好きだよね。そのキャラ達笑笑』

『うん!私どっちも大好きなんだー!!』とそのキャラ達のデカいスタンプも送られてきた。あの時の"『好きだよ』事件"の犯人は奈世で確定した。

 

 僕はその事には触れず『じゃあ放課後は空けといてね。』と返信して眠りについた。


 僕は修了式どころでは無く、またもや先生の話を右から左に流していた。


 修了式や部活も終わり、僕は奈世さんと待ち合わせてあのレストランへと向かった。


 レストランに到着し、跳ねる心臓を抑えて僕から切り出した。

「奈世さん!」

「は、はい…!な、何でしょうか…!!」 


 レストランへ向かう道中、奈世さんは僕よりずっとテンションがおかしかった。


 「僕は奈世と出会ってたくさん楽しい経験をして、たくさん面白い話をして、当たり前だけど当たり前じゃない事を奈世さんからたくさん貰ったんだ。」


奈世さんは大きな目をウルウルさせながらコクリコクリと頷いている。


「僕は他の人より口数は少ないし、面白い人間じゃないけどこんな僕に話しかけてくれる奈世さんをいつの間にか僕は好きになってた…。だから!ぼ、僕でよければ!…お付き合いしてくれませんか!!」


これが僕の導き出した答えだった。


「それが…、徳野君の答え?」奈世さんは声を詰まらせながら言った。

「う、うん…。」心臓がうるさい。


  「たいへんよくできました…!私も徳野君の事が大好きです!! 私でよければ是非付き合って下さい!」


そう言う彼女の目からは溢れんばかりの涙が溢れていた。サラサラの黒い髪。綺麗な二重の目。その全てが愛おしく感じた。


「もうちょっとしたらね?私から答え合わせしようと思ったんだけど…。徳野君から言ってくれて…、私すごい嬉しい!」


嬉しそうにはしゃぐ奈世さんから"ロウバイ"の微かな香りがした。


 日はとっくに落ちて、辺りには大人の雰囲気が漂っていた。僕も大人の階段をまた一段登れたと思うと少し誇らしかった。

「ねぇねぇ、徳野君。耳貸して?」

帰る道中、奈世さんは言った。悪戯な顔をしている。

「な、何?」僕より少し背の低い奈世さんに合わせるように僕は屈んだ。

「何故、私は徳野君の耳を借りたのでしょーか?」

うーんと考えていると暖かくて柔らかい感触が僕の頬に伝わった。昔は首筋を冷やされたっけ。ん?


「え…。い、今のって…!」

僕が動揺していると


「私の出題した問題を解く事が出来た人に送るオンリーワン賞です…!」


彼女は優しく微笑みもう一度、僕の頬に口付けをした。







【問一〜問五の正答】奈世さんは、徳野君の事が好きだから。

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