最後の願いを叶える為に
俺は沙理奈とりんたろうを会わせるためにりんたろうに電話をした。
冷「りんたろう、フランスで修行中悪いんだけど日本に帰って来て沙理奈に会ってくれないか?あいつお前に会いたがってるんだ」
伊「まだ修行が終わっていない。今日本に帰るわけにはいかない。」
冷「でもあいつ余命宣告をされてんだぞ。いつ何があってもおかしくない。それにお前の顔を見たがってる」
伊「沙理奈には悪いが夢を叶えるためには今ここを離れるわけにはいかない。俺の分まで沙理奈のそばにいてやってくれ」
冷「お前に会いたいっていうのがあいつの最後の願いなんだ」
伊「なんと言われようと俺は帰らない」
そう言ってりんたろうは電話を切ってしまった。分らず屋がと思ったがりんたろうは夢を叶えるために必死になっているんだというのが分かった。電話でダメなら直接フランスに行って連れ戻す。俺は覚悟を決め、フランスに行くための資金集めに奔走した。俺はアルバイトを何個も掛け持ちし、シフトも詰め込めるだけ詰め込んだ。沙理奈はいつ病状が悪化してもおかしくない。沙理奈には時間がない。4ヶ月ほどたった頃フランスに行くのに必要な資金がやっと貯まった。直ぐにチケットやホテルを予約してフランスに向かった。
フランスに到着して直ぐタクシーに乗り翻訳機を使って運転手に行き先を伝えた。
冷「フランスレストランのスリールまで」
仏人「了解しました」
タクシーは目的地に向けて走り出した。一時間ほど走ったが様子がおかしい、空港からレストランまでそう離れてはいないはず。いくらなんでも走らせ過ぎだ。そう疑問に思った時、タクシーは市街地の路地裏に停車した。その瞬間後部座席のドアが開き俺は外に引っ張り出された。そこには四人のフランス人がナイフを持って立っていた。抵抗をすれば殺される。俺は手を挙げその場に座り込んだ。すると男たちは荷物、財布、翻訳機、ケータイ、持ち物全て車に積みスタンガンで俺を気絶させ、その場を立ち去った。俺が目を覚ます頃には男たちも車もいなくなっていて、空も暗くなっていた。俺は絶望した。警察に行こうにもここが何処だか分からない。助けを頼もうにも翻訳機がない。ホテルに連絡しようにもケータイがない。俺は悔しくて悔しくて涙を流した。俺は沙理奈のために何もしてやれないのか?あいつの最後の願いも叶えてあげられないのか?俺があいつに出来たことは迷惑をかけたことだけじゃないか。俺は泣き崩れその場に座り込んだ。俺は好きな人の最後の願いも叶えられない役立たずだ。
?「ちょっと私の家の前に座らないでくれる?邪魔なんだけど」
声をかけられ俺は顔をあげたがフランス語で分からなかった。そこには女性が立っていた。
?「ん?日本人?何かあったの?」
冷「え、日本語?あなた日本人?」
?「そうだよ。私は角田まり。あなたは?」
冷「縦山冷志と言います。実は…」
俺はまりさんに事の全てを話した。友達に会うためフランスに来たこと、持ち物わ全て強盗集団に盗まれたこと、ここが何処だか分からないこと全て。
角「分かったわ、私の車に乗って。警察署まで連れていってあげる」
そう言ってまりさんは警察署まで俺を連れていき警察に事情を話してくれた。すると警察署に盗まれた荷物、財布、ケータイが保管されていた。俺が倒れてすぐに運良く警戒中の警察官がスピード違反で車を止め、荷物検査で盗品が見つかりそのまま逮捕されたらしい。
角「あなた運がいいわね。盗まれたものがそのまま帰って来るなんて」
冷「いえ、まりさんに会っていなかったら俺は何も出来ませんでした。ありがとうございました」
角「泊まる予定のホテルだけど、ここからたと少し遠いから今夜は家に泊まっていかない?ホテルには私から連絡しておくからさ」
冷「いいんですか?泊めて頂いて」
角「私も久しぶりに日本人に会えて嬉しいし、あなたの話を聞きたいしね」
冷「じゃあ、御言葉に甘えて」
俺はまりさんの自宅にお邪魔することになった。一人で暮らすには勿体ないくらいの広いお家だった。壁にはコートやドレスがかけられ、衣装タンスが沢山あった。
角「私は洋服のデザインをしてるんだ。と言ってもまだまだ新人だけどね」
冷「すごい綺麗な服ばかりですね。素敵です」
角「ありがとう。新人だから誉められることがないから嬉しい」
夕食とお風呂を済ませ、寝る準備を始めた。
角「冷志くんはどうして友達に会いにフランスに来たの?」
冷「大切な人が友達に会いたいって言ってて、でもその友達が頑固で日本に帰らないって言ってるんです。だから連れ戻すためにフランスに来ました」
角「大切な人は女性だよね。友達は男性?」
冷「はい、レストランで修行中です」
角「あなた変わってるね。大切な人と恋敵を会わせるために奔走するなんて。普通大切な人は何が何でも手に入れようとしない?どうしてそんなことするの?」
冷「その子、病気で余命幾ばくもないんです。私はその子に沢山迷惑をかけてしまったんです。だから最後の願いを叶えてあげたいんです。それが私がその子にしてあげられる唯一で最後のことだから」
角「ふーん、あなたいい人ね。普通の人はなかなかそこまで出来ないわ。会わせられるといいわね。二人を」
冷「会わせてみせます。何が何でも」
俺とまりさんは夜中まで話し眠りについた。
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