あっけない幕切れ

高校を卒業した俺は専門学校に入学した。大学よりもより専門的なことを学べるからだ。動物の中の海洋系に入った。毎日魚や海の授業があり、水族館への見学やダイビングライセンスの取得実習があり充実した生活を送っていた。

 沙理奈とりんたろうとは高校を卒業した後でも良くメールでやり取りした。りんたろうは調理の専門学校へ入学、沙理奈は一般企業に就職した。りんたろうはフランス料理店を開くために、沙理奈はお金を貯めて海外へ留学するためにそれぞれの夢へ進んでいた。俺も自分の夢を叶えるため、沙理奈との約束を守るためやる気にみちあふれていた。未来が楽しみで仕方がなかった。楽しい事があったら沙理奈にメールで報告したりした。

 冷「今日から伊豆へ実習に行ってきます!」

 森「気を付けてね」

 冷「伊豆の海は荒れぎみです」

 森「専門学校がたのしそうでよかった」

 冷「明日からダイビング実習だから死なないように頑張るね!」

 森「そっか、大変だね。頑張ってね」

どうでもいい事でも沙理奈に報告した。大好きな人がいて大好きな勉強が出来てとても舞い上がっていた。毎日が楽しくて仕方がなかった。だけど、ほどほどで辞めてあげるべきだったと後になって分かった…

 夏休みの時に俺は沙理奈をデートに誘った。せっかくの夏休みだから一緒にお出かけしたいと思ったからだ。

 冷「今夏休み中なんだけど二人で一緒にお出かけしない?」

 森「少し考えさせてもらっていい?」

 冷「分かった、待ってる」

そこから3日たったが返事が帰って来ない。心配になった俺はメールを送った。

 冷「もし駄目なら無理しなくて大丈夫だよ」

このメールにも返事を返して来なかった。結局デートの返事が帰って来たのは誘ってから一週間たってからだった。

 森「返事遅くなってごめん。一緒には出かけられない。ごめんなさい」

 冷「そっか、また機会があったら誘うね」

 森「申し訳ないけどあんまり誘わないで欲しい。今はもう自分の事で精一杯だから」

 冷「そっか、分かったよ」

これを最後に沙理奈はメールを返信してくれなくなった。どんなに心配のメールを送っても、謝るメールを送っても、何も帰っては来なかった。どうにか沙理奈に今の気持ちを伝えたい俺はりんたろうにお願いした。

 冷「りんたろう、沙理奈に伝言をお願いしたいんだけど」

 伊「なんかあったの?」

 冷「メールを返してくれなくなっちゃって」

 伊「ケンカでもした?」

 冷「そんなところかな」

 伊「ふーん、分かった。なんて伝えればいいの?」

 冷「俺が夢を叶えるまで待っててね。大好きだよって伝えてくれる?」

 伊「分かった、伝えとくよ」

しばらくしてりんたろうからメールが届いた。

 伊「沙理奈から伝言を預かったよ。多分お前にとって辛い物になるけど覚悟はいい?」

この時点で泣きそうになった。いい返事であることは百パーセントなかった。しかし、聞かなければ始まらないと思い覚悟を決めた。

 冷「りんたろう、お願い」

りんたろうから送られてきた伝言を目にした瞬間俺の大きな勘違いが覚めたのと同時に、俺が無意識にやってきた嫌がらせ、人の気持ちを想わない行動に気づかされた。この時大好きな沙理奈との関係が終わってしまった。いや、最初から始まっていなかったんだと知った…

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