想いをつたえなきゃ
沙理奈はとても美人だ。十人に聞けば十人がそう答えるほど。二年生の時に彼女を狙っているという同じクラスの男子が現れる。二人は仲良くなり、彼女は俺に対して少し冷たくなった。二人が仲良く話す光景を遠くから眺めていることしか出来なかった。彼女が幸せならそれでいいと自分に言い聞かせていたが、やっぱり悔しくて嫉妬した。もうチャンスはないと諦めていた時、珍しく沙理奈からメールが来た。
森「アオダイショウのこどもを飼おうと思うんだけど一緒に始めてみない?」
いつもはこっちからメールしないとやり取りが始まらないのに今回は沙理奈の方からメールが来た。
冷「自分一人の問題じゃないから、家族と相談して決めるね。」
冷「ごめん、家族から大反対されちゃったから飼えないや。せっかく提案してくれたのにごめんね。」
森「そっか、いいのいいの。気にしないで」
たった2回のやり取りだったが俺はとても嬉しかった。その後はいつも通りメールをやり取りし合う関係に戻ることが出来た。沙理奈を狙っていた男子は沙理奈がいる女子グループといざこざがあり、同じクラスメイトに収まったらしい。喜んでは行けないが、とても安心したのは事実だった。
俺と沙理奈の微妙な関係が暫く続きとうとうこの日がやって来た。英語部のクリスマスパーティーだ。俺は沙理奈に想いを伝えようと決心した。可能性はほぼゼロだった。だが、このままでは沙理奈に俺の気持ちが分かってもらえないまま終わってしまうと思った。りんたろうに協力してもらい当日を迎えた。クリスマスパーティーは楽しく和やかに進んだ。それぞれの考えたゲームが盛り上がり、皆でお菓子を食べて賑やかに盛り上がった。楽しい時間はあっという間に過ぎ、とうとう御開きの時間となった。俺にとってはここからが本番だった。学校の門まで向かう途中りんたろうが俺と沙理奈を二人きりにしようとしたようだが、なかなかそのチャンスがなく俺に視線を送った。
伊(不味いな…このままだと冷志が沙理奈と二人きりになれない…)
りんたろうと目があった俺は急かされているものだと勘違いした。
冷(何してんだよ、早く切り出せよってか?わかったよりんたろう)
その勘違いのお陰で俺は沙理奈に話を切り出すことが出来た。俺は沙理奈の肩を叩いた。
冷「沙理奈、ちょっと話があるんだけどいいかな?」
森「え?何?今ここでは言えないの?」
冷「うーん、ここではちょっとな」
俺のその一言で沙理奈は全てを悟ったようだった。
森「じゃあ駐輪場に行こう」
俺と沙理奈は一緒に駐輪場へ向かった。駐輪場につくと沙理奈は俺と向き合った。
森「話ってなんでしょう?」
俺は想いを伝えようとしたが、緊張で言葉が胸に詰まった。落ち着け俺と自分に語りかけ自分の手を胸にあて沙理奈への想いを伝えた。
冷「あなたが好きです。もし嫌じゃなかったらいつでもいいので私と一緒に動物園にデートに行って下さい」
今伝えられる精一杯の想いを沙理奈に伝えた。
森「動物園か。今は就職のことで忙しいし、就職してからもなかなか会えないからなー。そうだ、冷志が就職したらその時一緒に出かけよう」
緊張でガチガチだった俺とは違って沙理奈は冷静だった。それは大人の女性という言葉がピッタリな対応だった。
冷「専門学校に行って、一生懸命頑張ります」
森「楽しみにしてるよ。それじゃあ冷志、じゃあね」
そう言って沙理奈は俺に笑顔で手を振った。端から見たら告白失敗だろう。でもその時の俺は未来で沙理奈が待っててくれると思いとても嬉しかった。
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