第3話 光を追う虫
「水、飲もうか」
「タクが先に飲めよ」
タクはため息をついた。
「コシロー、俺のこと疑ってるん」
タクは水を飲んでみせた。
「ほら」
コシローは差し出された水筒を恐る恐る受け取った。 水を口に含む。『生き返る』その言葉の意味を心の底から理解した。
「今俺たち、どこにいるんだろう」
コシローを再び、底知れない恐怖が襲った。
「この虫」
タクが指差した先には、見たこともない奇妙な虫がいた。
親指程度の大きさで蜂のような見た目をしているが、羽はなく、腹が潰れたよな形状をした虫だった。懐中電灯の光を受け、それは七色に光っていた。
タクがつつくと「チリチリチリ」と、紙を千切る様な音を出してそれは鳴いた。
「洞窟に入った時からおった虫や。俺らと反単方向に、光の方に向かって歩いとった」
コシローの胸に希望の光が差した。
「コシロー、耳澄ましてみ」
「チリチリチリ」微かに、そして確かに、その音は遠くで響いていた。
「この近くに、虫の大群がおる。それを追う」
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