第12話:資料12【入居者家族からの苦情記録】
受付日: 12月10日
申出人: 浦安 様(入居者 市原 様の長女)
対応者: 生活相談員 柏
【相談内容】
「母(市原様)の身体状況について、説明が欲しい」
【詳細】
昨日、母の面会に来た際、母がベッド柵を掴んで立ち上がっていた。
母は3年前の脳梗塞で右半身麻痺があり、自力での起立は不可能なはずである。
驚いて声をかけると、母はこちらを振り向きもせず、窓の外の「野鳥」を目で追っていた。
その動きが、人間というより爬虫類のそれに近かった。
さらに不可解なのは、母の「欠損していたはずの小指」である。
母は昔、工場の事故で右小指を失っている。
しかし昨日見た母の右手には、5本すべての指が揃っていた。
しかも、その「新しい小指」だけ皮膚が白く、爪が鋭く尖っており、関節が一つ多かった。
近くにいた介護職員(我孫子さん)に「母の指が生えている」と訴えたが、彼は真っ青な顔で震えるばかりで、会話にならなかった。
千葉施設長からは「栄養状態が改善し、浮腫でそう見えるだけ」と説明されたが、納得できない。 母は何を食べさせられているのか?
【相談員(柏)所感】
ご家族の訴えは荒唐無稽だが、市原様の小指については事実確認が必要。
入居時の身体状況フェースシートを確認しようとしたが、該当データのみサーバーから削除されていた。
(アクセスログを確認すると、削除実行者はID:Admin(川井)となっていた)
【対応方針】
ご家族には「経過観察」と伝え、深入りさせないこと。
市原様については、来週の「クリスマス会」まで個室対応とし、他の入居者との接触を避ける。
(※施設長指示:「熟成が完了するまで人目に晒すな」)
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