第9話 決別
むーこーとのセックスは、私が18歳になって寮のある職場に就職し家を出るまで、続けられた。
祖父は相変わらずで私が就職すると、給料から四分の一は家に送れと言った。
私はそれを守っていた。
祖父の事はずっと、怖いままで言いなりだった。
むーこーは私が出ていった後で、正式に祖父の養子になった。
あの最初の時以外は、必ずコンドームを用意していた。
妊娠はしたことがなかったのは、むーこーが妊娠させたら困ると気をつけていたからだろう。
一年ぐらいは毎回、痛いその行為をただ我慢していた。
だけど、段々とセックスが気持ちいいと思える様になった。
でもそれは、体感的な感覚の気持ちよさであって、決してむーこーに夢中になったわけではなかった。
ホテルに連れていかれる事もあったし、むーこーの車の中でされる事もあった
むーこーは私の身体をいつも貪る様に、抱いて、行為の最中は「可愛い」とか「好きだ」とか言っていた。
私にとっては意味を成さない。
"あー"とか"うー"とか盛り上げるための喘ぎと同じだった。
ーーある日
仕事から帰宅した私をむーこーが社宅の前で待ち伏せていた。
「やっちゃん、会いたかった」
むーこーは私の姿を見て嬉しそうに目を細め、顔を赤らめていた。
たった3ヶ月会わなかっただけで、こんなに私を求めてたのかと呆れた。
その時、私は会社の同僚と恋人関係になっていた。
恋というのを初めて知ったばかりだった。
「むーこー、なんでいるの?もう会いたくないんだけど」
「…え……なんで?!」
「もう、私。恋人いるから、むーこーと会いたくない」
「……ゆ、許さないよ?やっちゃんは俺の女だろ?!」
「は?ふざけないでよ。あんたなんかの女になったつもりないよ」
社宅の隣の人が声を聞いて出てきた。
「ねぇ、大丈夫?高橋さん、どうしたの?」
「すみません!警察に通報してください!この人、ストーカーです!」
「や、やっちゃん?なんでそんな事を…嘘だろ?」
むーこーは狼狽えていた。
顔が青ざめている
私はさらに大声で
「もう私のそばに近寄らないで!!」と叫んだ。
その声を聞いた他の住人も何名か、こちらを覗きに出てきた。
「…やっちゃん、なぁ…嘘だろ?そんな事いう子じゃないだろ?」
むーこーは震えながら後退り、フラフラと帰っていった。
それから、むーこーが私を訪ねて来ることはなかった。
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