第4話 見つかった盗み

「何してるの?」


ふいに声をかけられ私は飛び上がる程驚いた


初潮から三回目の生理で出血が多く、トイレットペーパーなんかじゃ間に合わなくなっていた。


ケチな祖父はお札は金庫にいれてるが、百円以下の小銭は壺の様な所に入れている。


欲しかったのは

ーー数百円


生理用のナプキンを買いたくて、小銭を盗もうとしていた。


「やっちゃん。どろぼうなんだ?」


「ち、違う」


「その右手を開いてみなよ」


右手に隠された五十円玉や百円玉をぎゅっと握りしめる


意地悪そうに笑うむーこーの目は悪魔の様に見えた


「じいちゃんにバレたら…ヤバイよな」


ニヤニヤしたまま続けた


「やっちゃん。バレる前にじいちゃんに謝ろう。俺がついてってあげるよ。」


バレる前に謝る。

それは捕まる前に自首みたいなもんだよね。

そうしたら…許して貰えるの?


…でも


「…やだ。むーこー兄ちゃんお願い。内緒にして。お金は、ちゃんと返すから!!」


ちゃんと返しさえすれば、何も起こらなかった事と同じだ



「返してもなぁ。やろうとした事が罪なんだよ。わかるよね?」


……終わった。


きっとむーこーは祖父に言いつける。


頭の中は真っ白になっていた。


ーーー


その時の私は小学六年生になっていて、身体も子供から大人へとゆるやかな変化をしていた。


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