第2話 ケチな祖父

両親の離婚で母子家庭だった


父親の事は行方がわからないらしいと母から聞いていた。


私は小学二年生。その前の記憶があまりない


母が私を独りぼっちにして死んでしまった。


雨の日の夜、仕事からの帰り道

車のスリップによる衝突事故。

それに巻き込まれた形で、歩道を歩いていた母は、誰が見ても"助からない"と思ってしまう悲惨な亡くなりかたをしたと…葬儀で大人が話していた。

その時はあまり理解できなかった。

ただ、大好きな母がもう居ない。

それしかわからなかった。


突然母を失った私は、あまり好きじゃなかった祖父の家で暮らすことになった


学校も祖父の家の近くにある小学校に転校した。

友達とのお別れすらちゃんと出来なかった


ーーー


高橋 保江たかはし やすえです。よろしくお願いします」


初日から暫くは珍しい転校生に女子がすぐ話しかけに来てくれた。



祖父は金持ちだった。


家は豪邸で、お庭が広い。


だけど、凄くケチで有名だった。


近所でも評判の口うるさい糞ジジイ。


そんな家の子だとすぐにバレると、みんな急にそっけなくなった。

祖父に怒鳴られて嫌な思いをした事がある子が多かった


学校で仲良くしてくれる人は誰も居なくなった。


私の持ち物はだいたいが親戚からのお古だった。


それは母と暮らしてた頃からそうだったから、自分では不便とは思ってなかった。

けれど…

祖父はさらに私にはお金を使わない。


サイズの小さくなった服をいつまでも着せられていた。


袖がほつれ、洗濯しても落ちない汚れがシミの様になって、私はお風呂に毎日入っていたけど


「臭い」

「ホームレス」


やがて、そんな言葉を同級生からぶつけられる様になった。


小学五年生の時に、初潮を迎えた。


胸が目立つ様になっても、ブラジャーすら買い与えられない。


私は、恐る恐る祖父に

「生理用のナプキンが買いたいのでお金を下さい」と言ってみた


「そんなのはトイレットペーパーで何とかしろ!!家のは使うなよ!学校のでやれ!」


ただ、そう怒鳴られた。


確かに、初潮の時は出血も微量で何とかなった。


保健室の先生にお願いしようか考えたりもしたけど、私は誰かに相談するのが怖かった。


誰にも理解なんてしてもらえない。


どこかでそう信じていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る