第5話 勝ったッ、第一部完!
結局、敵軍は我々が放棄した村や町で食料、それに荷車や天幕用の布などを略奪すると、東の砂漠へ去っていった……砂漠のど真ん中でマラリアが発症したら何人が生きて国に帰れるかどうかまでは、麿の知ったことじゃあない。
「食料とかを補充されて、再度攻めてこられたら困ったところだったけど」
「攻城兵器が失われたので、短期決戦でサザンブラ城を落とす見通しが立たなくなったのでしょう。攻城中にこちらの援軍が来れば全滅するのは奴らの方ですからな」
ギュスト将軍の見立てが正しいのだろう。
「それにしても、まさか砂漠を超えて南方に来るとはねえ」
「恐らく、奴らの司令官はワシの『鼓舞』のような、兵の士気を維持できる天賦スキル持ちだったのでしょう。それに水の補給ができる天賦スキル持ちなどを加えて、奇襲できれば充分な成算ありと考えて攻めてきたのでしょうな」
「なるほど。少なくとも砂漠の踏破には成功したんだから、また同じことをしてくる可能性はあるよね。今後は南方軍の防衛体制も充実させないといけないな」
今までは後方扱いだった南方の守りを固めないといけないのだから、物入りになるだろう。
「まあ、麿は今までどおり農業振興につとめて、国庫の増収をはかればいいんだろうけど」
肩をすくめながら言った麿に、ギュスト将軍は首を振りながら答えた。
「いやいや、殿下の天賦スキルがここまで戦争向きだと分かったからには、今までのように内政官ではいられんでしょう。今回の功績もあります。予備役から現役軍人に復帰の上で昇進し、北方の前線に回されると覚悟しておくべきかと思いますぞ」
「ヴヱ?」
思わず、潰されかけたカエルみたいな声が出てしまった。そうか、そうなるよね……。
まあ、しょうがないか。王子という立場である以上、国に尽くすのは義務だ。戦争は嫌だけど、それなら麿のスキルで一日も早く戦争を終わらせればいいんだ。
気合を入れていこう。
「よし、麿の戦いはこれからだ!」
カこそパワー! 5cm以下の虫を召喚使役するスキルを得たんで地方をドサ回りすることになったけど、農業だけでなく戦争でも無双できますよ? 結城藍人 @aito-yu-ki
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