第3話 敷かれた王子
「メルテナ、ダンスを踊ろう。そうそう、うまいぞ」
「ありがとうございます、殿下。お気遣いいただいたおかげで踊りやすいです」
「「「「素晴らしい!!!」」」」
戻ってきたら、どうやら課題にチャレンジしているようです。
うんうん。良いですわね。
課題は王子とメルテナ様が仲を深め、家族や執事長は貴族らしくそれを応援するというもののようです。
順調です。
このまま行けば婚約破棄は起こらず、みんな無事でしょう。
しかし……。
グォォォオオオオォォォオオオオオ!!!!
「「「「「「「なぁっ!?」」」」」」」
なんでデーモンロードが?
「ぐぎゃ~~~~~~~」
あっ、お兄様が踏まれました。
「ヒール!!!」
もちろん、死んでほしいわけではないので回復魔法を唱えますが……。
「あががががががが」
デーモンロードがまとっている炎によるダメージと、私の回復魔法による効果がせめぎあって、ずっと苦しんでるみたいな状態になってしまいました。
これはまずいですわね……。
「みなさん伏せてください! "聖なる息吹"!」
「えっ?」
これは、聖女のスキル?
まさかこのタイミングで目覚めたというの?
グォォォオオオオォォォオオオオオ!????
そのスキルはデーモンロードに効果抜群みたいです。
苦しんでます。
「これでトドメです! "浄化"!」
ギャァァァアアァァァアアアアアアア!!!!!???
晴れ渡る異空間。
そこには光り輝く聖女となったメルテナ様が、王子を庇いながら立っていました。
美しい絵です。
なんとなく、足を踏んでそうな感じなのがなぜなのかわかりませんが。
こうして、私たちは悲劇を回避しました。
兄は力不足を理解したらしく、真面目に訓練に励んでいます。良いことですわね。無駄でしょうが。
両親や執事長は不正を自ら王家に申し出たことで罰は受けたものの減刑されました。今では真面目に領主しています。良いことですわ。二度と道は踏み外させません。
メルテナ様はその力を活かして、王子様と一緒に魔の森を巡っていたらしいです。良いことですが、元気になりすぎでは?
王子はメルテナ様にべったり……離れることは許してもらえないようです。神様方から何か言われたのでしょうか? それともメルテナ様から?
「私は……あなたを……幸せにします」
「私はあなたを支えます」
私は殿下とメルテナ様の結婚式に参列させていただきました。
どうして王子殿下は震えているのでしょうか?
嬉しさならいいですが、何かを怖がっているような?
まぁ、みんな生き残ったので良いことですわ。
きっとデーモンロードはギミックとしてメルテナ様を聖女にするためにイレギュラー登場したのでしょうね。
めでたしめでたしですわ。
「殿下。側室は必ず必要です。そこで私は、エラフィナ様をと思います」
「へっ……いや、それは……」
「はい、ですわよね?」
「はい」
結局巻き込まれたのですが……?
***
お読みいただきありがとうございます。
カクヨムコンテスト11短編向けの作品でした。
もしよければ作品フォロー、星評価などで応援いただけたら嬉しいです!
またカクヨムコンテスト11向けにはじめてのホラー作品(?)を開始しておりますので、もしよろしければご覧いただけると嬉しいです。
『声の先にいるものは?』https://kakuyomu.jp/works/822139837989230716
気付けば悪役令嬢になっていた私~中途半端な破滅は許せませんわ! 蒼井星空 @lordwind777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます